各世代で雑誌のトップモデルとして活躍してきた田中美保。小学4年生の時にスカウトされてデビューし、2000年代には、鈴木えみ、榮倉奈々、木村カエラなどともに雑誌『Seventeen』(集英社)の黄金期を支える神メンバーとして活躍。『Seventeen』を卒業した後、『non-no』(集英社)に移ると、「美保カジ」「美保ショート」とも呼ばれ、そのファッションや髪型を真似する女子が続出した。
 2012年にサッカー元日本代表の稲本潤一選手と結婚し、2人のお子さんを出産。モデル業をこなしながら、2児の母として多忙な日々を送っている。

田中美保 撮影/有坂政晴

最大の「THE CHANGE」は出産

「チェンジって、まあ悪いことではないですよね。新たな自分の人生の輪を広げる一歩かなって思います。基本、変わっていくことがあんまり嫌いじゃないから、楽しいですよ。自分自身がこうやって色々チェンジしていって、死ぬときに楽しかったなと思えればいいなと思っています」

 変わることが嫌いじゃないという田中にとっての「THE CHANGE」はいつだったのだろうか。都内某所にある自宅近くの貸会議室でインタビューに答えてくれた。

「最大のチェンジはやっぱり子供が生まれたことですね。産む前と後で何が変わったかっていうと、もうなんか全部です。生活そのもの、自分の軸っていうか中心になるものすべて変わったって感じです」

 そう答える表情からは母親としての責任感のようなものが感じられる。2人のお子さんはいま2歳と4歳になる。取材時は、黒のスウェットワンピをカジュアルに着こなし、この取材が終わったら子どもたちをお迎えに行くという。最近のおしゃれ事情について聞いてみると、

「いつも汚れてもいい服、洗濯できる服を着てます。たぶん、“この人毎日同じ服着てる”って思われてるんだろうな。でも、みんな優しいから何も言わずに普通に接してくれてます。ネットで洋服を買ったりもしますけど、夜も出かけないし、着て行く場所がないですね。下の子が2歳になったので、今年からはもうちょっと働くというか、ちょっと外に出ようって思っているんです。だからおしゃれもしたいんですけど、なかなかそんな時間もなくて……」

 いま住んでいるのは芸能人などの有名人も多く住むエリアだという。周りの目やママ友との関係も気になるところだが、本人はあまり気にしていないようだ。

「保育園とか幼稚園は始まったばかりなので、まだ気心知れないのはしょうがないんですけど、たぶんみんな頭がいいんですよね。みなさんしっかりしていて、キャリアウーマンというか、仕事が出来る人たちなんだろうなって感じの方が多いです。やっぱり、このあたりの奥様たちはみなさんお上品で、綺麗な格好してるんですよね。私なんか、いつも同じ服で“ごめんなさい”って感じです(笑)」

モデル仲間たちもみんなママに

 田中と同時期に活躍したモデル仲間の多くも現在は母親になっている。数年前には、鈴木えみ、榮倉奈々、木村カエラ、尾崎紗耶香という雑誌『Seventeen』の黄金期メンバーが集まる機会があったが、みんなママとなり、それぞれ各分野で活動している。プライベートでも親交の深い浅見れいなとは2021年に一緒にブランドを立ち上げ、インスタライブを行なったりもしていた。

「最近は全然会ってないですね。みなさん小さいお子さんがいるし、私と同じような感じだと思います。雑誌も少なくなったし、仕事の現場で会うこともないですからね。れいなとは実家も近いし、『Seventeen』の頃から仲が良くて、いまも家が近いんですけど、彼女にも小っちゃな子がいるし、なかなか会えてないです」