“芸歴制限の撤廃”が大きく人生を変えることになる

 熱量の高いお笑いマニアが集まる、チケット即完ライブ「バスク」で際立った街裏さんは、東京のライブシーンでの知名度が急上昇した。以降、2017年に鈴木おさむさんが『冗談手帖』(BSフジ)で「この番組を始めて面白い人たちとたくさん出会いましたけど、おもしろさは今まででNO.1」と絶賛し、2017年にR―1グランプリに挑戦すると準々決勝まで進出。

 さらに2019年には準決勝に進出し、2020年にはメイプル超合金カズレーザーさんが『とくダネ!』(フジテレビ系)で「日本で5本の指に入るおもしろさ」と紹介した。この勢いでRーグランプリ王者へ──、とはならなかったのは、「エントリー資格芸歴10年以内」という芸歴制限に阻まれたからだった。

「だから今年、芸歴制限が撤廃されたとき、すぐに“絶対に出る!”となりました。これまではネタの候補が2本くらいでしたが、3年出ていないからネタのストックも多かったし、やれるネタが8個くらいあって、“いつもよりはいけるんちゃうか”と感じていました。
 準決勝で、決勝1本目の『温水プールに石川啄木が現れる話』をやったんです。そしたら、つかみで、うわ――ーっ! とウケたんです、いままでにないくらい。お客さんに乗せられて1オクターブ上がったんですよ。熱量もずっと高いままでした」

 そして決勝に進むと「優勝したいというより、ベストパフォーマンスを意識した」結果、最終決戦で戦った吉住さん、ルシファー吉岡さんのトップに立ったのだ。