“漢”という言葉がこれほど似合う男はいないだろう。俳優・市原隼人。『WATER BOYS2』、『ROOKIES』といった学園ドラマでの熱いキャラが印象的な市原さんだが、近年では『鎌倉殿の13人』、『正直不動産』などではスマートで大人のキャラを好演している。そんな市原に「THE CHANGE」について聞いてみた。

市原隼人 撮影/有坂政晴

 俳優という仕事はつくづく損な商売だと思う。一回、印象付けられたキャラはそれ以降、その俳優の代名詞ともなり得る。だから筆者も、市原さん自身もこれまでの役の様な熱い人柄かと思っていた。しかし、実際、目の前に現れた市原さんは熱さを感じさせない。丁寧で穏やかなトーンで、時折どこか恥ずかしさを交える感じで終始語ってくれた。そもそも市原さんは幼少期からスポーツに明け暮れていた。

「2歳から器械体操、水泳、空手……色々やってきました。それは小学生になっても続いていて、とにかく動くことが好きでした。僕の父も柔道と器械体操をやっていたのでその影響もあると思います。当時、大好きだったジャッキー・チェンの映画を観て、分厚い雑誌を父に持ってもらって、ず~っと突きの練習をしたり。走るのも好きだったので、あちこち走り回って、その挙句に迷子になったり、夜遅くなっても帰って来ない(笑)……ということはよくありました。、無鉄砲で、トム・ソーヤのような少年でした」