「面白いことをやりたいという気持ちがすごくあります」
――さゆりが何かを語っている瞳をしていたので、彼女の心の内がとても気になりました。台本上はきちんとセリフが書かれていて、会話のお芝居もされていたんですね。
「台本に沿ったやりとりを普通にしていて、そこから音を消しています。どんなやりとりがあったかは、さゆりの言葉としては分かりませんが、浅井とジヨンが語り合う中で、徐々に暴かれていくわけです。過去のさゆりとの関係性があるので、浅井目線だったり、ジヨン目線になってみなさん想像していただけるだろうと思いました。なのでそこは、私のほうでこういう風に見せようといったことは一切ありませんでした」
――登場する時間自体は短いですが、非常に重要な役柄です。まったく担うものは違いますが、ここ数年では『マイ・ブロークン・マリコ』『＃マンホール』でも多くはない登場時間で、非常に重要な役柄を演じていました。奈緒さんが、クリエイターの創造力を刺激して声をかけたくなる存在なのかもしれません。
「そうだったら嬉しいですけど。『マイ・ブロークン・マリコ』の場合は、役柄としても葛藤がある役でしたし、お受けするときにもまた違った思いがありましたが、今回は単純に嬉しかったです。私自身、面白いことをやりたいという気持ちがすごくあります。今回も山下監督から“セリフを音として使わないこういった役なんだけど、面白がってやってもらえたら”と言っていただけたと聞きました。一緒に面白がれるメンバーとして自分のことを浮かべてもらえたなら、すごく嬉しいことです」
奈緒さんが「一緒に面白がれるメンバー」だとの信頼を得ていることは、出来上がった作品を観てもよく分かる。
なお
１９９５年２月１０日生まれ、福岡県出身。高校１年生のときに地元でモデル事務所に所属。地元のテレビ番組やドラマに出演ののち、２０１５年に上京した。２０１８年、連続テレビ小説『半分、青い。』でヒロインの親友役で好評を博す。翌年に連続ドラマ『のの湯』で初主演を果たし、『あなたの番です』で第１０２回ザテレビジョンドラマアカデミー賞助演女優賞を受賞した。主な映画出演作に『事故物件 恐い間取り』『みをつくし料理帖』『余命１０年』『マイ・ブロークン・マリコ』『陰陽師０』など。現在、映画『告白 コンフェッション』が公開中、およびドラマ『演じ屋 Ｒｅ：ａｃｔ』が放送・配信スタート。映画『先生の白い嘘』『傲慢と善良』が控える。
作品情報
映画『告白 コンフェッション』
監督：山下敦弘
原作：原作：福本伸行、作画：かわぐちかいじ
脚本：幸修司、高田亮
音楽：宅見将典
主題歌：マキシマム ザ ホルモン
出演：生田斗真、ヤン・イクチュン、奈緒
（Ｃ） ２０２４ 福本伸行・かわぐちかいじ／講談社／『告白 コンフェッション』製作委員会
配給：ギャガ
５月３１日より全国公開
