役者生活60年目にして、初めて映画に主演する平泉成さん、80歳。日本を代表する名バイプレイヤーとして、昭和・平成・令和で常に第一線で活躍し続ける平泉さんには、いくつものTHE CHANGEがあった。【第4回/全5回】
6月7日公開の映画『明日を綴る写真館』で役者歴60年目にしてはじめて主演を努める、平泉成さん。町の写真館を営むベテランカメラマンという役どころだが、自身も写真撮影を趣味として、日々カメラを持ち歩いているという。撮影中、この日のカメラマンが「どんなカメラを使っているんですか?」と聞くと、はずんだ声色で教えてくれた。
「ソニーのミラーレス一眼、α7Cです」
カメラマン「軽くて持ち歩きやすいですよね」
「いやさあ、それがさあ、レンズ、50mmF1.2というやつを買ってさ。GMのいちばん高いやつ。それが重くってさあ! 参っちゃうよねえ」
毎日持ち歩いてレンズを覗いているからこその、まんざらでもない楽しげな愚痴だ。私生活は趣味で充実し、仕事も毎年絶え間なくドラマに出演し続ける超売れっ子。冷静に考えて、昭和・平成・令和とまたにかけて第一線で活躍し続けているなんて、とんでもないことではないだろうか。