「2時間ドラマの帝王」として、その名を轟かせる船越英一郎。40年を超える芸能生活で数多くのドラマに出演し、バラエティでも軽妙なトークを披露。CMでその姿を目にした人もいるだろう。テレビとともに歩んできた男の「THE CHANGE」とはいったいなんだったのかーー?

撮影/三浦龍司

「表現者たるもの、僕に言わせれば、請われたら舞え、と。リクエストされたら、舞え、踊れ、なんでも応えよう、っていう意味ですね」

 船越英一郎さんに、仕事の上で心に残る言葉はありますか、と尋ねると、こんな答えが返ってきた。

「請われたら舞え、っていうのは、実は立川談志さんがおっしゃったようで、それを何かの記事で読みまして、なるほど、これってすべての表現者に通ずるなと思いました。

 もちろん、役者の道を極めていく、という意識もあるんですけど、どっかで僕は、役者はアーティストである前に、サービス業だと思ってるところがあるんですよ」

 6月3日から放送中の船越さん主演のフジテレビの土ドラ『テイオーの長い休日』で船越さんが演じ、船越さん自身とダブる「2時間ドラマの帝王」熱護大五郎(あつもり・だいごろう)も、それに通じるセリフを発するという。

「熱護のセリフで、“一番大切なのは視聴者にいかに楽しんでもらうか”というのがあるんです。ドラマ界には病巣がある。メスを入れてやるって言って、かつて自分が演じた外科医に扮して乗り込んでいくんですが、その時に言うセリフなんですよね。どこを向いて君たちは仕事をしているんだ、というメッセージ」

ーーいいセリフです。