森山未來ら共演者とは「いい調和」のチームだった
2014年にも映画『サクラサク』で認知症となる父親を演じたが、撮影前に認知症を患う人に会う機会を得たという。
「認知症のお父さんを演じたときにいろいろ調べて、患者さんにも会うことができ、ご家族の方の話も聞くことができた。それが、今回のこの役にもとても参考になりました。当時話を聞いたのは、そのときの私と同世代の方だったかな。長年サラリーマンをやっていた方で“今日はわりと調子がいいんですよ”なんてご家族の方から聞いたりしてね」
ーー役作りのために、撮影前に役の履歴書を作るそうですが、『大いなる不在』でも作りましたか?
「今回は台本に書いてあったので作りませんでした。私の役は陽二さんといいましてね、かつて大学の物理学の教授をしていたことのほか、さまざまな履歴が書いてあったので、私が自分でフィクションで"◯◯小学校を卒業して“”大学時代は◯◯を学んで”などを書く必要がなかったんです」
陽二の息子である卓を演じるのは、森山未來さん。幼いころ、卓と妻を捨てた陽二が警察に捕まり、その連絡を卓が受けたことで、物語が動きだす。疎遠だった父親は認知症を患い、発言が二転三転する中で、原日出子さん演じる後妻について「男たちに乱暴されて自殺した」と話すのだ。
「息子と妻を捨てて、自分が好きな女性のところに走った男性なんです。25年ぶりに会うと、森山さん演じる卓は延々と話を聞かなきゃいけなくて、えらい迷惑してね。森山さんの奥さんを演じるのは真木よう子さんで、陽二の2人目の奥さんが原日出子さんで、このチームはすごく調和がよくて、いい感じでした」