昭和・平成・令和と時代が変わっても、劇場のスクリーンでもリビングの液晶でも、藤竜也さんは変わらぬ圧倒的な存在感を観る者に突きつける。現在82歳、俳優歴は62年目になる。さまざまな人間を演じ、その名を海外にも轟かせる名優に聞く、THE CHANGEとは。【第3回/全4回】

藤竜也 撮影/三浦龍司

 2024年現在も第一線で活躍し続ける、日本を代表する名優・藤竜也さん。

 ここ数年も精力的に映画出演しており、7月12日公開映画『大いなる不在』では第71回サン・セバスチャン国際映画祭のコンペティション部門で日本人初となるシルバー・シェル賞(最優秀俳優賞)を受賞し、ニューヨークで開催される北米最大の日本映画祭ジャパン・カッツでの、特別生涯功労章の授与が決定している。さらに別作品でも第33回日本映画プロフェッショナル大賞で特別功労賞を受賞するなど、邦画界を牽引し続けたことが讃えられているといえよう。

 そんな藤さんに、「THE CHANGE」について聞くと、「いくつかあって、全部自分の職業に関わることだね」と話してくれた。

「ひとつは、“あなたは映画俳優に興味がありますか?”という問いかけ。もうひとつは、“あなたには、使ってみようと思わせる何かがありません”という言葉。これが転機になりました」