ドラマ初出演がNHKの大河『おんな城主 直虎』

 人生初の大きな決断で、自身にとっての新たな一歩であり、変革のタイミングでもあった。

「元々、アイドルになりたかったんです。モーニング娘。さんのファンでしたので、自分の中でやってみたい表現として、あんなふうに歌って踊ったりできたらいいなというのがありましたし、憧れがありましたね」

 芸能界という華やかな世界での活動を行うチャンスを得たわけだが、その代償とも言える体験もあったという。

「コンテスト自体が公開オーディションだったので、それが行われた翌日以降は学校中に一気に知れ渡ってしまい、“1年生のあのコだよ”みたいに指をさされたり。そんな中で“あのコがなんで受かったの? ”といったマイナスな言葉をヒソヒソと言われたこともあって、ちょっとショックでもあったんです。でも当時の私からは何も言えなくて……。先輩たちの頑張っている姿に励まされて、そんな気持ちを跳ね返して頑張ろうと思ったんです」

 その後、2016年には映画『人生の約束』で俳優デビューを果たす。

「『人生の約束』では、石橋冠監督の下で竹野内豊さん、江口洋介さんといった大先輩の俳優さんと御一緒させていただけて、本当に貴重な体験でしたね」

 そして、翌2017年にはNHK大河ドラマ『おんな城主 直虎』では高瀬役でドラマ初出演を果たした。NHKの大河ドラマといえば多くの俳優にとって憧れであり目標でもあるが、ほとんど新人ともいえる高橋さんの出演は大抜擢であった。

「私が出させていただいた『直虎』もそうだったんですが、NHKの大河の撮影って独特なんですよ。月曜日に全部リハーサルをやって、その週に撮るものを事前にみんなでリハーサルして作っていく……というスタイルなんですけど、当時は全くそういうことを知らなかったんです。

 それまでは役に扮装したカタチでお芝居する、環境に入ってお芝居する……ということしかやったことが無かったんです。だから、簡易的な畳とかを置いただけの環境で、その芝居をするということがすごく難しかったですね。

 当時は自分の中で役に入るスイッチの切り替えがうまく出来なかったんです。独学でしたし、お芝居そのものの演じ方もよくわかっていなかったので、たくさん怒られることもありました。助監督の方からも手取り足取り教えていただいて。御一緒させていただいた(祐椿尼役の)財前直見さんには、“お辞儀はこうやって頭を下げるのよ”など、細かい所作をご自身の体を使って見せていただいたり。ほんとにたくさん色んなことをスタッフや共演者の方に教えていただきました」

(つづく)

高橋ひかる(たかはし・ひかる)
​2001年9月22日、滋賀県生まれ。O型。2014年、「第14回全日本国民的美少女コンテスト」でグランプリを受賞し、芸能活動開始。2016年、映画『人生の約束』で俳優デビュー。2017年、NHK大河ドラマ『おんな城主 直虎』でドラマ初出演。2018年、配信ドラマ『パフェちっく!』でドラマ初主演を果たす。近年の出演作に『村井の恋』(TBS系)、『ハレーションラブ』(テレビ朝日系)『リビングの松永さん』(カンテレ・フジテレビ系)といったドラマがあるほか、公開待機作に映画『赤羽骨子のボディガード』(8月2日公開)がある。

番組情報
土曜ナイトドラマ『顔に泥を塗る』
原作:ヨシカズ
脚本:大久保ともみ 遠山絵梨香
演出:熊坂出 高橋名月
出演:髙橋ひかる 木村慧人(FANTASTICS) 西垣匠 窪塚愛流 川津明日香 / 田中道子 高野洸 奥貫薫
毎週土曜日 夜23:30~深夜0:00 テレビ朝日系にて放映中
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