1990年代から、バラエティ番組を中心に大活躍してきた森口博子さん。現在もテレビやラジオのレギュラーを複数抱える人気者だ。歌手としても高く評価されており、「機動戦士ガンダム」シリーズ放送開始40周年となった2019年にリリースされた、アルバム『GUNDAM SONGS COVERS』は第61回日本レコード大賞で企画賞を獲得するなど、アニソン歌手として国内外で広く認知されている。自分の歌や自分自身の存在が、知らぬ間にワールドワイドになっていることを実感したというエピソードを語ってくれた。【第3回/全5回】

森口博子 撮影/有坂政晴

地道に続けた歌手活動が国境を越えて世界へ

「ずいぶん前になりますが、渋谷のパルコでお買い物をしていたとき、突然“ファンです。サインしてください”と声をかけてくださった方が、パスポートを取り出したときは驚きました。“海外で私の歌と顔を知ってくださっている方がいるんだ”と思うと嬉しかったですし、日本のカルチャーは国境を超えるんだと、実感しました。
’18年にガンダム生誕40周年を記念してNHKで放送された『全ガンダム大投票40th』のガンダムソングス部門で、デビュー曲『水の星へ愛をこめて』が1位になったときは夢みたいで。長年愛される作品に携わらせていただいた幸運を、ひしひしと感じました。
 それがきっかけでアルバム『GUNDAM SONGS COVERS』を制作させていただき、50代にしてアルバムがシリーズ3枚とも、立て続けにオリコンウィークリー3位以内にランクインすることができました。必要としてくれているファンの皆さん、スタッフの皆さんのおかげです。また、日本レコード大賞の企画賞もいただき、“夢には締切りがない”と思いました」