テレビをつければその顔を見ない日はないどころか、一日に二度や三度も見ることがあるほどの売れっ子であるやす子さん。老若男女、幅広い層から愛されるやす子さんの魅力は、どうやって形づくられたのか? 鬱屈(うっくつ)していた高校時代からスターダムを駆け上がった日々でのCHANGEを聞いてみた。【第3回/全3回】

やす子 撮影/有坂政晴

共演者・藤岡弘についたかわいい「ウソ」

 テレビ番組に出ずっぱりのやす子さんは、レギュラー出演している番組も多いが、ゲストとして呼ばれることもまた多い。当然、初めての収録現場になるわけだが、そこで緊張することはあるのだろうか。

「緊張はしますけど、緊張しているほうが良いことが起きたりするので、そのまんまの自分でいくようにしていますね。“さぁいくぞ”とか変に思わず、“緊張しているからこのまま頑張ろう”って、そのまんまで。そのままとんでもない方向にいくこともあるんですけど」

 お笑い用語で「人(にん)」というものがある。個性や人柄を指し、芸人はこの人を出したほうがよいとされるが、やす子さんは、どんな場でもその人を出しまくっていて、それが魅力となっている。

 しかし最近、とんでもない方向にいってしまったことがあるようで……。

「藤岡弘、(78)さんと洞窟に行くロケがあったんです。それで洞窟の中で藤岡さんから“上にコウモリがいるだろ。コウモリがいるのは空気が通っている証拠なんだ”って言われて、“いますね。動いていますね”って言っちゃったんですけど、それはただの黒いシミだったんですー。ウソついちゃったんですー。家に帰ってから、“本当のこと言ったほうがよかったのかな”って、落ち込んじゃいました」

 そのまんまの対応が悪いほうにいってしまったのだ。