「どこか応援してもらえるように」演じたい

「だいたいこういうのって、愛される人が“がんばれー!”と応援されて最終的にどうにかなる話じゃないですか。でも(ブリンズリーは)クズなので、ウソがバレろバレろ! と思うんです。それっておもしろいんかなって。

 だから僕は、クズな人間やけどどこか応援してもらえるように、“なんとか乗りきってくれへんかな”と1ミリでも思ってもらえるように演じたいです。応援する気持ちにならないと、観る側もハラハラドキドキしないですし。まあ、実際にはエラい目に遭えばいいんやけど。それは物語が終わってからなんでしょうね」

  役柄もタイトルも、けっしてハッピー&ポジティブな物語ではないが、かえってそれが浜中さんの芝居欲を刺激したようだった。

「オファーを受けたのは、車で移動中。僕の人生がブラックな感じで、“ブラックジョーク”のような人生を歩んできたので、まあ“僕がやるしかないな”って(笑)。めちゃめちゃハッピーな作品よりも、ちょっと暗い感じのほうが僕の性格上合ってるし、やるしかないと思いました」

浜中文一 撮影/冨田望