1999年から芝居を中心に切磋琢磨しており、現在はフリーの俳優として活動する浜中文一さん。グラビア、ステージ、舞台と、さまざまな表現の場で経験を積み、独特の個性が光る浜中さんが語る、THE CHANGEとは。【第1回/全4回】

浜中文一 撮影/冨田望 スタイリスト/渡辺奈央(Creative GUILD)

  目を引くのは、透き通るような美肌。誰もが羨む透明感だが、「不健康そうに見えるんですよ。肌白いし、すごいクマができるから。“なんか調子悪い? だいじょうぶ?”みたいな」と、生真面目な顔で謙遜……のようでいてボケているようにも見えるのは、俳優の浜中文一さん。

 俳優として数多くの舞台を踏み、今年に入り、主演1本がすでに上演され、10月にも出演が予定されているほか、8月17日からは、主演を務める『ブラック・コメディ』(IMM THEATER)の上演がはじまる。

  同作は英国の劇作家ピーター・シェーファーによる戯曲で、初演は1965年、ロンドンにて。日本での初演は1970年、劇団四季が手がけた。そんな歴史ある同作で浜中さんが演じるのは、無名の若手彫刻家ブリンズリー。舞台は、その場しのぎのウソやごまかしで一挙に富を得ようとした矢先、停電となった一室。停電シーンに明転し、電灯がついているシーンは暗転する、明暗逆転という凝った演出で物語が進む。

  暗闇の中、婚約者や元恋人、隣人、婚約者の父親、電気修理工たちと繰り広げられる受難に、右往左往しつついかに立ち向かうかーーという役どころだが、ブリンズリーは“クズ”なのだ。浜中さん自身も「クズですよね」と、自覚していた。