一方で、同期はオードリーナイツなど、実力派が名を連ねるが、「1回会ったくらいか、まったく会ったことがないかもしれません」と言う上、ナイツが主戦場とする浅草は、「若いころは怖かった」と吐露する。

「だって、“本物のお笑い”をやっているところですからね。こんなやつが出ていったらダメだろうと。大阪も怖かったです。やっぱり大阪の人ってお笑いに厳しいし、東京のふわっとした場所でしかお笑いしかやっていなかったので」

ーーふわっとした場所?

「中野、新宿、渋谷辺りですね。今の浅草はガンガン行きますけど、当時は日和っていた自分がいました。でも、テレビはやっぱり今でも緊張します。ネタだけやりきる番組ならぜんぜんいいんですけど、トークとかになると、先輩がいると踏み込めなかったりして、ちょっと変な空気になっちゃうから……」

ーーたとえば、最近変な空気になったのはいつですか?

千鳥の番組ですね。千鳥は後輩なんですけど……なんか千鳥は僕を後輩だと思って上から来ているのかわからないですが、ナメた感じでくるんです(笑)。『相席食堂』(ABCテレビ/2020年4月28日放送「白塗りー1グランプリ」)に出たとき、けちょんけちょんに言われて、こいつらめーー!(怒)と思ったんですけど、そのあと『にちようチャップリン』(テレビ東京系)で顔を合わせる機会がありまして。

 そのときに歯向かってやろうと思って、宇宙海賊じゃない姿で出て、“千鳥さんは僕のこと好きじゃないですもんね! だから今日は宇宙海賊じゃなくて宇宙パティシエで来ました!”と言ったら、まあ変な空気にはなったんですが、僕としては一矢報いた感じで満足しました(笑)」

ゴー☆ジャス 撮影/有坂政晴

 自身では「僕は笑いを追求しているわけではなく、“たまにしょっぱいものが食べたいな”というときの箸休め的存在。お笑いの王道はほかにたくさんあるのでね」と話すが、“お笑いとはかくあるべき”という枠に収まらないゴー☆ジャスさんだからこそ、視聴者は2000年半ばから令和となった現在まで、新鮮に惹かれ続けてしまうのかもしれない。

ゴー☆ジャス
1978年、福島県生まれ。高校卒業後に声優を志し代々木アニメーション学院に進学。卒業後は俳優の事務所を経て本格的にお笑い芸人を目指し、ライブを中心に活動。2006年以降、現在の「宇宙海賊」の姿でテレビ出演が急増し、本人いわく「プチ以下の、ナノブレイク」。芸人としていち早くYouTubeアカウントを開設。公式チャンネル『ゴー☆ジャス動画』ではゲーム実況を中心に配信中。

最近はゴー☆ジャスさんのぬいぐるみも展開(ナムコ限定のプライズ)