「自分でドラムの音を作って」カセットで録音
現在も定期的に行われているライブでは、m.c.A・T自らギターも弾いている。ライブでは原田真二の楽曲をカバーするなど、その領域はラップにとどまらない。
「中学でギターを弾き始めて、高校でエレキギターに変わったんです。でもロックってものの良さがよくわからなかった(笑)。高校生でY.M.O.の音楽に出会って、びっくりしてしまった。シンセサイザーという楽器にものすごい未来を感じたんですね。でもすごく高価な楽器だったから、お金持ちの友人に借りて使いました。
自分でドラムの音を作って、カセットレコーダーに録音して。当時はまだマルチトラッカー(MTR)がなかったので、ピンポン録音をしていました。普通のレコーダーを2台セットして、片方でポンポンポンってベースになる音を録音するんです。
そうしたら、今度はその音を流しながら次にメロディーを録音していく。最後に歌を歌うんですが、何度も録音しているとカセットの回転数がどんどん上がっていくんですよ。最初の録音より半音くらい上がってしまうので、それでハイトーンボイスが鍛え上げられました(笑)」
誰もがつい口ずさんでしまいそうになる歌詞。インタビュー中も、まるでラップを聴いているかのようにひとつひとつの言葉が軽やかだった。
えむしーえーてぃー
北海道札幌市出身。シンガー・ラッパー、作詞・作曲家、音楽プロデューサー。大学在学中からオリジナル曲でライヴを始め、数多くのコンテストで入賞。1993年、m.c.A・Tとしてavex traxより『Bomb A Head! 』でデビュー。以来、数々のヒット・チューンを生みだす。DA PUMP、AAA、屋良朝幸など多くのアーティストに楽曲を提供。近年も自身のライブや、アーティストへの楽曲提供、プロデュースなど精力的に活動している。
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