ビリーは北村匠海をイメージして作られた
今回の『オラたちの恐竜日記』で北村さんが演じたビリーは恐竜が好きな研究者という設定だ。
「佐々木忍監督が僕をイメージしてビリーというキャラクターを作って、オファーして下さったのは僕の中で大きかったですね。そこに関しては、僕も二つ返事で引き受けました。やっぱり子供の頃から触れてきたしんちゃんから学んだことも多かったので、そこに恩返ししたいって気持ちもありましたし、なにより“しんちゃんの仲間になれるんだ!”ってところですごくワクワクしましたね」
実際、ビリーの声を当てる上で心掛けたこと、というと……。
「ビリーは僕をイメージして作られたキャラクターというところが一番大きかったので、ここに対して、僕が更に読み解いてイメージを膨らませるのは邪魔になるかなって思ったんです。監督のイメージと、もしかしたらぶつかる瞬間……監督がイメージしている北村匠海と北村匠海のイメージするビリーが違ってしまう可能性もあるなって。だから、監督が求めることに対して、やっぱり100%で応えるには、“もう、このままで行こう!”というのが僕の出した答えでした。もちろん、ビリーとしての声作りは現場でやったんですけど、ある意味、僕が普段、現場で持っている感覚をそのままビリーに当てるという感じでしたね」
キャラに自分が寄せていく……というよりは、キャラクターがそもそも北村さんに寄っているというアドバンテージがあったので、ある意味、すごく自由に演じられたという。
「その反面、ありのまま過ぎると、声優のお仕事としては、いまひとつ伝わらないニュアンスもあるのかとも思いました。だから、先ずは視聴者として僕が当てたものを聴いた監督から“僕はいまのを聴いてこういう感情になったんですけど、どういう思いでやってくれてますか”というような投げかけがあり、それに対して僕が応えるというキャッチボールが多かったですね」