俳優としてだけではなく、4人組バンド「DISH//」のボーカル・ギター担当としてアーティストとしても活躍中の北村匠海。最近では大人気コミックの実写化『幽☆遊☆白書』の浦飯幽助役、地上波でのドラマ『アンチヒーロー』(TBS系)での正義感の強い若手弁護士・赤峰柊斗役が好評、来年度前期NHK連続テレビ小説『あんぱん』への出演も決まっている。そして、『映画クレヨンしんちゃん オラたちの恐竜日記』ではゲスト声優を担当。北村匠海にとっての転機“THE CHANGE”に迫る。【第3回/全4回】

北村匠海 撮影/冨田望 スタイリスト/Shinya Tokita ヘアメイク/Asako Satori

 シリーズ最新作『映画クレヨンしんちゃん オラたちの恐竜日記』でゲスト声優を務めた北村さんだが、アニメの仕事は本作で6回目となる。とすれば、北村さん自身の中でも声優という仕事に対して”慣れ“はないのだろうか。

「”慣れ”ということに関してはいつまでも持つべきではない、いつまで経っても持てないだろうと思います。とういうのも声優というのは職人の集まりだと思っているんです。俳優である僕は全身で表現できますけど、声だけで表現するというのは常にそれと向き合っていないと身に付くものではないと思っているんです。以前、『ぼくらの7日間戦争』(2019年公開)の時に、皆さんとみっちり丸二日間やらせてもらいました。そこで色々と教えてもらったんですけど、直ぐできることではないんですよね。台本を捲る際の音を入れないようにするとか、カレーを食べながら喋るシーンでの口の中の使い方とか。チャレンジ出来るから僕も楽しいんですけど、だからこそ、やっぱりリスペクトを込めて、いつも初心を忘れずにいるべきだと思っているんです」