グッときて泣けたひろしの言葉
──本作で印象に残ったシーンやセリフは?
「やっぱりギャグ的なところが意外と印象に残っていたりするんですけど、それがしんちゃんの良さでもあるんですよね。個人的には“アンミカバブリー?”というしんちゃんのギャグが秀逸だと思ってます。それと僕が演じたビリーの少し歪んだ家族関係とその対比にある野原家の存在もすごく印象に残っています。特にひろしが、ビリーの父で「ディノズアイランド」の創設者であるバブル・オドロキーに向かって“子供というのはな、親の観ていないところで自分なりに考えて成長していくんだ。その可能性を信じるのが親の務めだろうが!”っていうくだりはすごくグッときて泣けましたね。
僕は結婚もしていないし親でもないけど、そういう立場になったら、たぶん、子供に密かに期待を押し付けてしまうタイミングってあるだろうなって思ったりしたんです。でも思い返せば、僕は父、母からは俳優やアーティストの仕事がお前にとっての幸せだとは思っていないから辛かったらいつでも辞めろって言われていたんです。ある意味期待を背負わずに伸び伸びとやってこれたからこそ、ビリーが父であるバブルに見放されて辛く思っていたところを、このひろしの一言が救ってくれたシーンはすごく好きですね」
(つづく)
北村匠海(きたむら・たくみ)
1997年11月3日、東京都生まれ。2008年公開された映画『DIVE‼』で映画デビュー。2009年に放映された『太陽と海の教室』でテレビドラマ初出演を果たす。2017年に公開された映画『君の膵臓を食べたい』で第41回日本アカデミー賞新人俳優賞をはじめとする数々の新人賞を受賞。近年の出演映画に『とんび』、『法廷遊戯』、『東京リベンジャーズ』シリーズ、声の出演では『ぼくらの7日間戦争』、『かがみの孤城』、ドラマでは『星降る夜に』、『アンチヒーロー』などがある。
【作品情報】
『映画クレヨンしんちゃん オラたちの恐竜日記』
原作:臼井義人(らくだ社)
監督:佐々木忍
脚本:モラル
声の出演:小林由美子、ならはしみき、森川智之、こおろぎさとみ、真柴摩利
ゲスト声優:北村匠海、オズワルド
主題歌:My Hair is Bad『思い出をかけぬけて』
8月9日(金)より公開
配給:東宝
🄫臼井義人/双葉社・シンエイ・テレビ朝日・ADK 2024
https://www.shinchan-movie.com/2024/