1990年代、ドラマ『逢いたい時にあなたはいない・・・』『悪魔のKISS』などで活躍し、名を広めた大鶴義丹。小説家や映画監督としての顔も持ち、現在は、主戦場を舞台に置く大鶴さんは、紅テントを象徴とする「状況劇場」で知られ、今年の5月に逝去したアングラ演劇の元祖・唐十郎を父に、アングラの女王と呼ばれ、ドラマ『3年B組金八先生』でも知られた李麗仙を母に持つ。そんな大鶴さんの語るTHE CHANGEとはーー。【第2回/全5回】

大鶴義丹 撮影/冨田望

 昨年、6本の舞台に立った大鶴さん。それでも十分多作だが、今年はなんと10本を予定。目前に控える、横内正さん演出、主演のシェイクスピア劇『リア王2024』は昨年の舞台を超える、7本目にあたる。

――オールバニ公爵役ですね。

「(老王リアを裏切る)一番悪い長女の、夫役です。シェイクスピアって、どの作品も、現代の出来事として考えられるのがスゴイんですよね。だって1600年とかに書かれてるわけじゃないですか。その時代のものを、そのまま今の会社員の社会に持ち込める。まったく同じ出来事ではなくても、人間関係は同じですよね。だから、やっていても古い時代の芝居をしている感じがあまりしないから不思議です」

――確かに人間関係や感情の揺れは変わらないかもしれません。

「僕はある種、お婿さんなんです。だから金持ちの家に行ったマスオさん。奥さんはすっごい悪いサザエさんですけど。僕は奥さんを叱るシーンもあるんですけどね。“あんたは婿のくせに”みたいに言い返されちゃったりして」