天真さんが「大好き」と語る作品とは?

「でもそれが、ちゃんと自分でも納得のいく作品を作りたい、と思ったきっかけでもありました。

 私、『攻殻機動隊』ってアニメが大好きなんです。90年代にあの話が作れるっていうことの、未来への想像力とか自由さがすごいですし、声優さんたちも超プロフェッショナル。アニメって子どもでも親しみのあるキャラクターとか、グッズになりやすいとか、ポップさも作品に必要かなと思うんですけど、『攻殻機動隊』はいい意味でアニメ的ではなく人間ドラマだった気がしていて。

 実写のドラマでは、俳優さんは本来の人格もあるし、当たり役がありながら、別の役もやっていく良さがありますよね。でも、アニメのキャラはその作品でしか生きてない、たったひとつの存在。その没頭感が好きなんです。自分もいつか、あんなふうに全ての要素が完璧に備わった作品を作ることができたら最高だよなと思います」

天真みちる 撮影/川しまゆうこ