『プリキュア』シリーズにも脚本として参加

 天真さんは21年に『ワッチャプリマジ!』(テレビ東京系)というアニメに脚本として参加したことも。

「『ワッチャプリマジ!』は、キャラクターの一人の女の子が、男装の麗人としてパフォーマンスをする子だったので、“元男役の天真さんが書いたらおもしろそう”とチーフライターさんに声をかけていただいたんです。

 私が宝塚在団中に経験した芸を極めることの難しさや、上下関係を超えて生まれた絆や、パフォーマンスにかける熱い思いなど、男役をやってきた自分にしか書けない部分があるのではないかと思いました。その後、自分が脚本担当したアニメの放送を見て、“もしかしたら、これは私にしかできない脚本を書けたかもしれないな”と思えたんです。その経験から、これからも脚本を書き続けようと決心しました。

 大切にしたいのは、誰かが手を差し伸べてくれるのを待つのではなく、自分からどんどん経験値を積み上げていこうとする姿勢。自分にしか書けない作品をつくるために、宝塚での経験を軸として、これからも新たな経験を積んでいきたいです。

 そんな作品ができたら、特装版ブルーレイとかにして、家の一番いいところに飾りたいと思います(笑)」と今後の意気込みを語る天真さん。

 エンターテイナー、脚本家、余興芸人などなど……型にとらわれずに、マルチに活躍する姿が今後も楽しみだ。

■天真みちる(てんま・みちる)
 11月18日生、神奈川県厚木市出身。06年に宝塚歌劇団に入団、その後花組に配属され男役スターとして活躍。在団中は確かな演技力とユニークな存在感から、「おじさん役」を多数演じ好評を博す。18年10月に宝塚歌劇団を退団後は21年に『エリザベート TAKARAZUKA 25周年スペシャル・ガラ・コンサート』出演、21年のアニメ『ワッチャプリマジ!』(テレビ東京系)の各話脚本執筆、エッセイの発表など多岐にわたる活躍をしている。著書に『こう見えて元タカラジェンヌです』、『こう見えて元タカラジェンヌです 遅れてきた社会人編』(ともに左右社)。