一世を風靡したドラマ『3年B組金八先生』(TBS系)への出演で注目され、“たのきんトリオ”の一人として絶大な人気を誇った野村義男さん。アイドルでありながら、当時は珍しかったバンド「The Good‐Bye」を結成。その後は、ギタリストとして浜崎あゆみさんのサポートや人気音楽番組「LOVE LOVE あいしてる」(フジテレビ系)に出演するなどしてきた。ギターを愛し続ける“よっちゃん”の、THE CHANGEとは。【第4回/全5回】

野村義男 撮影/冨田望

 90年代、ギタリストとして頭角を現すようになった野村さん。98年にデビューした、時代を象徴する歌姫・浜崎あゆみさんは、デビュー前からバンドメンバーとしてサポートしていたという。

「僕は、専門的な教育を受けたギタリストじゃなく、いわば現場のたたき上げです。いろんな方のレコーディングやライブなどで声をかけていただき、バックバンドとして演奏させてもらうことでスキルを磨いてきました。だからかもしれませんが、場数を踏めば踏むほどギターが目立ちすぎてボーカリストに恥をかかせてはいけないと感じるようになりましたね。

 プレイもそうですが、ボーカリストとの適切な距離感を保つことも大切だと思います。なので、いい意味で仕事だと割り切るようにしています。だから、浜崎あゆみさんのバックで20年近く弾いてきましたが、“飲みに行きましょう”という話になったことは一度もありません。だって、電話番号すら知らないんです(笑)。

 彼女のプライベートはまるでわからないけど、はじめて会ったときから声質の説得力は飛びぬけていると感じました。あと、根性というか肝のすわり方も人並外れているんです。不思議なことにライブのMCとかは天然で、同じことを何度も言ったりしてお世辞にも上手とは言えません(笑)。でもね、曲の中で歌われるあの声はすさまじい説得力があります。すばらしい才能ですよね」