素人の高校生が漫才をするだけの映像なのにめっちゃ気持ち悪いですよ。

中谷「『ラストカウントダウン』も強烈ですよね。あれはどうやって作ってるんですか。見たことも無いような変なキャラクターとか、ビジュアルとか、メンバー同士でどうやって共有するんですか(笑)。だって、アレめっちゃ変ですよ(笑)」

寺内「客観的に見るとそうですね(笑)」

中谷「あれこそ大喜利だと思うのですが…」

寺内「そうかもしれません。僕は絵を描くのが好きなんですが、あのキャラクターは別人格を憑依させて描きました。別人になりきって、そいつのつもりで描きましたね」

中谷「素人の高校生が漫才するだけの映像もありましたよね(笑)
 あの気持ち悪さどうやって作るんだよって思いますよ。あれなんかどこまで脚本があったんですか」

寺内「脚本というより設定を決めて撮っていくことがほとんどですね。内容は演者も含めて一緒に作ってます」

中谷「その日で作り上げていくんですね。僕は『この映像はお祓いを済ませておりません』に出てくる霊能者が好きなんですよ。田園風景を見て、一言目に“ええ感じやない”って呟く。フェイクではあり得ないような、本当に内から出てきたようなセリフですよね。どうやって演技指導してるのかと思いますよ」

寺内「撮影の現場で作っていくんです。あの動画の俳優さんは、百戦錬磨のベテラン俳優さんです。しかし演技が上手くても、“演者の中で何か違う”となってしまうとリアルさは出ないんです。だからリアルじゃないシーンはいったん保留にして別のシーンを撮り、僕の求める自然さとは何なのかを出演者に共有してもらってから、もう一度戻って撮ったりします。
 芝居のオーディションなんかでも、受かるためにしなくてはいけないミッションをすべてこなした人に限って落ちたりする。それよりも、“落ちてもいいや、今日は楽しかったな”と思える人が通ったりする。その理由って、単なる芝居ではない、人柄が出ているからだと思うんです。そこにリアリティが出たりするんですよね。
 Qでも、その自然さを大切にしようと思っています。台本通りではなく、その少し先というか手前というか」