ほぼ全裸のポスターも話題に
『ぐらんぶる』は、スキューバダイビングクラブを舞台にした人気のコメディ漫画の実写映画化。竜星涼さんと二人によるW主演で、ほぼ全裸のポスターも話題となった。
「100%コメディで、常に変なことだけ考えてればいいという現場だったんですけど(笑)、ずっとふざけたことのみにフォーカスして現場にいるというのは、自分の中でも経験のないことだったので、衝撃的でした。ふざけたことをずっと真剣に考えるというのは楽しかったですね。そこからちょくちょくそういう役が増えてきた印象はあります」
犬飼さんの中では、そうしたコメディの世界は「やってみたい」という思いで飛び込んだのだろうか。
「いや、飛び込んだらそういう場所だった、という感じです(笑)。それまで、JUNONボーイで仮面ライダー俳優……イケメン俳優=ラブストーリー、みたいな感じで行くのかな、と何となく思っていたら、全然思わぬ方向に事務所が舵を切ったんですよね(笑)。でも、そこに行ってみたら面白いな、と」
2021年には大河ドラマ『青天を衝け』に出演。王道中の王道の作品にも挑みつつも、一方では困ったやつ、厄介な男など癖のある役が増えていく。
「振り幅のある役はやりがいもありますし、楽しいです。幸せなことにいろいろやらせてもらっているので、もっとこういう役をやりたい、みたいな不満が一切ないんですよね。いろんなことをやらせてもらっているので、そこはすごく感謝しています」
とはいえ、俳優としての立ち位置というのは一長一短に見つけられるものではない。犬飼さんの場合、自身の役者としての特徴、個性をどう捉えていたのだろう。
「どうだろう…。最初の頃は優しい雰囲気というか、ゆっくりとしたテンポのお芝居が好きなのかなと自分で思ってたんですけど、『ぐらんぶる』をやってみたら、いや俺多分こっちだなってなったり。そこは作品ごとに常に発見しつつ、自分でも新しい面を見つけつつという連続ですね」