「動物のお坊さん」として多くのメディアに取り上げられている横田晴正さんは、曹洞宗長福寺の住職である。横田さんにとっての「THE CHANGE」、人生の転機にはいつも動物がいた。
10歳の時の愛猫との死別、小中学時代の壮絶ないじめ、動物園が繋いだ運命の出会い、過酷な修行後の臨死体験…、動物との不思議な縁がもたらした数奇な出来事を経て、動物の死と向き合い続けているーー。 

 僧侶の法衣姿で現れた横田さんは、「私の人生の節目にはいつも動物の命がありました」と語る。朗らかな笑顔で取材に応じてくれたのは、都内にある「ペット霊園 ソウルメイト」東京分室だ。

東京でも動物の火葬場所を整備したい

「ペット霊園ソウルメイト」は新潟県長岡市の長福寺にあり、普段は住職としてそこで壇務を行なっている。長福寺は横田さんの奥様のご実家で、東京でもペットの葬儀や供養をして欲しいという声に応え、2013年にご自身の実家がある杉並に東京分室を開いたという。

「新潟には常設の火葬施設があるのですが、東京では移動火葬車に頼らざるを得ません。分室に車を横付けして火葬しているのですが、上に電線などがあったりして十分に対応できていないんです。なんとかもう少し整備したいですね」

 都会ならではの悩みを語ってくれた横田さん。インスタグラムではペットたちと戯れる無邪気な姿を見ることが出来る。最近のデジタル面やSNS など、日々大きな変化についてはどう感じているのだろうか。

「コロナ禍でオンラインでの法事が増えました。海外の方、国内でも遠方の方からの依頼も多くなりましたね。メタバースには興味があります。心の相談をする際に対面しているかのように話せれば、伝わりやすいですし、だいぶ変わるのではないでしょうか。SNSも使ってはいますが、自分のペットの日常を発信する感じですね」

横田さんにとっての「THE CHANGE」とは?

「いつも動物に救われてきました。私は10歳で出会った猫にはじまり、動物とのさまざまな不思議な体験を経て、多くの動物たちを看取り、弔うようになりました。小学校からいじめを体験し、高校時代にはやんちゃな時期もありました。大学時代に出会った女性と結婚し、ペット会社に就職しました。広告代理店に転職した後、妻の実家がお寺だった縁で出家、厳しい修行を経て僧侶となりました。その節目にはいつも動物の命がありました」

 横田さんは、幼い頃から現在に至るまで動物たちとの不思議な出来事を体験し、たくさんの命と向き合ってきた。壮絶ないじめを苦に自ら命を断とうとまでしたが、飼っていた保護猫に救われ思いとどまることができたという。