共演経験のあるWEST.の濱田崇裕・神山智洋とともに魅せる

 マックスとレオを演じるWEST.の濱田さんと神山さんとは、バラエティ番組で何度も共演した仲でもある。

「神ちゃんってダンスがすごく上手いんです。今年2月に、神ちゃんがいるWEST.と一緒に『イキスギさんについてった』(TBS系)という番組で、1分間で覚えたダンスを5曲踊りきったら100万円をもらえる企画に挑戦しました。
『LOVEマシーン』や『シンデレラガール』など、人気曲のサビを1分間で覚えて踊らないといけなくて、神ちゃんがイチから振付けを教えてくれました。『プロデューサーズ』でも一緒にデュエットダンスするシーンがありますが、稽古から引っ張ってくれていて、神ちゃんと一緒なのが心強いですね」

 “濱ちゃん”こと濱田さんも、明るさでカンパニーを引っ張っているそうだ。

「緊張した空気が流れているとき、濱ちゃんが何か話してくれるとそれだけで場が明るくなります。私も役作りで壁にぶつかっているとき、濵ちゃんのひと言で前向きになれたりもします。それに濵ちゃんって、いつも人と違うことを言ったり考えている人なんです。常識では思いつかないアイデアに元気をもらえます」

 スターを夢見てブロードウェイにやってきたウーラには、共通点も感じている。

「スウェーデンで生まれた彼女がアメリカでも頑張っているところは、いま東京で頑張っている私を見ているようで、励まされますね。スウェーデンなまりがあるところも、おちゃめでかわいいです。スタイルもよくて金髪でセクシーな女性なんですが、人柄まで知るとかわいいところがいっぱい見つかるので、彼女のかわいさも舞台で伝えていきたいですね」

 マックスとレオ、キャラクターとしてはそれぞれどんなところに惹(ひ)かれるだろうか?

「マックスもレオも、目の前にいたらあまりお付き合いしたくないかもしれません(笑)。マックスはギラギラしているし、レオは大人しすぎるかも。でもウーラの状況を想像したら、レオに惹(ひ)かれる気持ちに共感できました。
 私も経験がありますが、田舎から大都会に出てくると、まず人との距離感が全然違います。知らない人ばかりの環境で出会ったレオが、初めて心を通わせられた人だったのかなと思います。都会暮らしでレオのように繊細な人に会えると、ホッとひと息つけるんです」

 劇中、最低のミュージカルを目指して作り上げたはずの舞台が、意外な評判を呼んでいく。この展開にも勇気をもらった。

「期待されていない物事でも、みんなが一生懸命やったら結果がついてきます。初めてミュージカルに出る私自身にも言えますが、自信のないことでも諦めずに本気でやってみれば、いい結果になると信じていたいですね。最近はソロでのお仕事が多かったので、みんなで舞台というひとつの目標に向かっていけることも久しぶりです」

「人生、何事にも諦めちゃいけなんだなと実感します」と、プロデューサーズの仲間たちのように真っすぐ前を向いている。

王林 撮影/松島豊

王林 (おうりん)
1998年4 月8 日生まれ、青森県出身。青森県を中心に活動するアイドルグループ「りんご娘」のメンバーとして’13年に芸能活動を開始。’22 年にグループを卒業し、’23 年にドラマ『ラストマン-全盲の捜査官-』(TBS系)出演、俳優業をスタートさせる。以降、バラエティ番組やCM、モデルなど幅広く活躍。現在、バラエティ番組『ヒルナンデス!』(日テレ系)、『おむすびニッポン』『天才てれびくん』(NHK)、ラジオ『土曜はDON』(青森放送)にレギュラー出演中。’23年11月には「Ourin-王林-」名義でソロシンガーとしても活動を開始。近年の主な出演作に、映画『じょっぱり 看護の人 花田ミキ』(2024)、『バカ塗りの娘』(2023)、『リトル・マーメイド』(2023・声の出演)などがある。

ミュージカル『プロデューサーズ』
脚本:メル・ブルックス/トーマス・ミーハン
音楽/歌詞:メル・ブルックス
オリジナル演出/振付:スーザン・ストローマン
日本版演出/振付:ジェームス・グレイ
翻訳:徐 賀世子
訳詞:森 雪之丞
出演:濱田崇裕、神山智洋
王林、新納慎也、神里優希、岸 祐二、島田歌穂/友近(Wキャスト) ほか
製作:東宝/東京グローブ座
公演期間:2024年11月8日(金)~12月6日(金) 
会場:東京・東急シアターオーブ(渋谷ヒカリエ11階)