‟本当に嫌われているんだな”と実感した驚愕の贈り物

 会社からは止められたが、ダンプは『極悪同盟』結成時、ヒールの決意として、髪を金髪に染め上げた。暴走族のリーダーと付き合っていた妹の部屋から、不良ファッションの一部を“拝借”して入場用のコスチュームにした。
 そして、とことん人に憎まれようと、ありとあらゆる凶器で、ライバルの長与千種らを夜な夜な血だるまにした。

「あの頃、“殺してもいいなら殺したい人”という雑誌のアンケートで私、1位になったの。日本で一番殺したいと思われたんだから、悪役冥利に尽きるよね。憎まれようとして悪いことをしてたから、ブーイングされても、“帰れ!”と言われても苦じゃなかった。
 事務所に“死ね!”と書かれたカミソリ入りの手紙が山ほど届いたけど、もう慣れっこ。ただ、“あぁ、本当に嫌われているんだな”と実感したのは、大量のゴキブリがデコレートされたケーキが送られてきたとき。
 私に嫌がらせするため、わざわざ何十匹もゴキブリを捕まえて、ケーキまで作ったってことでしょ? 本当に恨んでいないとできないわけで、“どうだ見たか、ざまあみろ”と思った。さすがに気持ち悪くてギブアップ寸前だったけど(笑)」

▲80年代は決して見せなかった笑顔を見せる場面も ©石川真魚