――アクションシーンで苦労した点はありますか?
「私、これまでは銃を使うことが多いキャラクターだったんです。というのも、私は伊澤(彩織)さんほどアクション経験が多くないので、“肉弾戦”は得意でなかったんです。だけど、今回は銃以外にナイフを使うシーンもけっこうあって……怖かったです」
――一瞬でも遅れると、ケガをしかねませんよね。
「そうなんです。全員のリズムが合っていないと成り立たないし、“相手に当たっちゃダメ”と思う、その“間”すらも許されないんですよね。アクション監督の園村健介さんに教えられたのですが、言葉はアレですけど、アクションをするときは“相手を殺してやる!”という気概で挑まないといけないんです。
実際、現場では“殺す”とか“殺る”といった言葉を全員で口にしてから、アクションをするんです」
――そういう極限状態のなかで、息を飲むアクションが生まれるんですね。
「ぜひ、テレビドラマだけでなく映画も見てもらえると嬉しいです」
――ちなみに毎回、相棒の伊澤さんとはプライベートでもよく遊ぶんですか?
「はい。お休みのときに、伊澤さんのお家に遊びに行くこともあります」
――2人で何をして過ごすんですか?
「一緒に動画を撮ったり、ごはんを食べたり……あ、あと、伊澤さんはアクションもされる俳優だから、お家に刀や銃もあるんです。もちろん、本物じゃないですよ(笑)」
――まさか、それでチャンバラごっことか?
「いえ。刀で“ぐるぐるバット”とかして遊んでいます。その様子を動画に撮って、笑い合っています」
――いいですね。映画と同じ日常を送っていますね。
「はい。楽しいです」
とにかく散歩が好きで、ひとりで渓谷とかに出かけるんです
――他に、趣味とかはあるんですか?
「趣味と言っていいのか分からないですけど、私はとにかく散歩が好きで、ひとりで渓谷とかに出かけるんです。自然豊かな場所にいると、リフレッシュになるので」
――健康にもいいですね。どれぐらい歩くんですか?
「3〜4時間は歩いています。以前、撮影の合間に時間がありすぎて、7時間ぐらい散歩したこともありますよ」
――7時間!?
「森林のなかで、すごく気持ちのいい場所だったんです。天気も良かったし、3時間半ぐらい歩いて……で、そこで気づいたんです。そこはバスもなにもない場所。ここから戻るのも、また3時間半かかるって(笑)。結局、7時間後に、現場へ戻ってきて、みんなに驚かれました」
――女優さんが帰ってこなくて、現場は大騒ぎだったと思いますよ(笑)。映画では“殺し屋”の高石さんの素顔が垣間見られて、楽しかったです。最後に今後の抱負を教えてください。
「普通の役をやってみたいです。私は今まですごく明るいキャラクターか、逆に暗いキャラクターか、両極端な役が多くて。その中間というか、どこにでもいそうな人間をやってみたいんです。どこにでもいるけど、本当は繊細で、傷ついていることもたくさんあって。普通の役ほど難しいと思うんですけど、挑戦してみたいなと最近思っています」
――ありがとうございました!
髙石あかり(たかいし・あかり)
2002年12月19日生まれ。宮崎県出身。主な出演映画に『ベイビーわるきゅーれ』シリーズのほか、『わたしの幸せな結婚』などがある。23年11月に第15回TAMA 映画賞の最優秀新進女優賞を獲得。2025年度後期放送予定のNHK連続テレビ小説『ばけばけ』のヒロインを演じることが発表された。
作品情報
『ベイビーわるきゅーれナイスデイズ』
監督/阪元裕吾
出演/髙石あかり 伊澤彩織 /池松壮亮 /前田敦子
公開中
公式サイト https://babywalkure-nicedays.com/