今回は主題歌『生涯HERO』も鈴木さんが歌っている。主題歌を担当するのは初めてだ。
「今回、楽曲を作って下さったHIPPYさんというアーティストの方も、台本を全部読んで下さって、そこから感じ取ったものを歌詞にして下さったんです。歌詞を読んだ時にドラマにピッタリだと感じたので、僕自身も役柄を引っ下げた感じで歌わせてもらいました。みんなそれぞれが人生のHEROだということをすごく強く歌っていて、人生の応援ソングだなって感じました」
ドラマ『ファースト・ペンギン』(日テレ系)で漁業の世界で苦労するヒロイン・和佳(奈緒)をフォローする若手漁師・一希役、『自転車屋の高橋くん』(テレビ東京系)ではアラサー女子・朋子(内田理央)に寄り添う世話好きな自転車店を営む遼平役といった”お助けマン”的なキャラも見る様になり、デビュー当時のクズとかワルといったキャラクターから脱皮しつつある。
「いただいた役を、坦々とこなす……与えられた課題をクリアして行けたら良いなって気持ちでいつも臨んでいます。良い役だとか悪い役だとかというのは“たまたまそういう役だった”という結果論のようなもので粛々とこなしているだけなんです。最近は、悪い役ばかりじゃなくて良かったなと思うこともありますけど(笑)」
川の様に流れてきた……
鈴木さん自身は32歳の誕生日を迎えたばかり。
「今までの人生を振り返っても、ただただ川の様に流れてきた……という感じなんです。最初のオーデイション(「VOCAL BATTLE AUDITION2」)を受けたのもマイケル・ジャクソンに憧れてダンス始めましたとかっていうわけでもないですし……。でも、これからの人生でそういった人との出会いがあるかもしれませんよね」
先日(10月10日)放映された情報バラエティ番組『ぽかぽか』(フジテレビ系)にゲスト出演した際に「(人生)言い訳ばっかりなんで」とサラッと言っていたのが見ていて残ったが……。
「そんな人生かもしれないですよね(笑)。でも言い訳って、聞いていると突っ込みたくなるところがあって、それはそれで面白いじゃないですか」
──ということは、自分自身に対しては厳しくない?
「激甘です(笑)。その分、他人にはメチャクチャ厳しいですよ(笑)。ちょっとマズいなって自分でも思っているんですけど、でも変わらないと思うんです。30年これで生きてきましたから。人ってそう簡単には変わらないじゃないですか」
──その発言、開き直りとも捉えられますが、マズいって思っているのなら変えようとは思わないんですか?
「メチャクチャ俺を変えさせようとしていますね(笑)。でも変える必要性が無いっていうか。それはひとつの個性だと思うし、皆が自分らしくいて欲しいって思うんですよね。ま、コレも開き直っているのかな」
30代に入り、これからの(俳優)人生について、最後に訊いてみると、
「体が動くうちは色んなアクションにも挑戦していきたいですね。やっぱり30代は体を動かす仕事もたぶんもっと出来るので。歳を重ねても歳相応に自分らしく人生を送れたらなって思いますね」
取材がひと通り終わり、締めの言葉として「ありがとうございました」という鈴木さんの挨拶は、スポーツマンらしい清々しさを感じさせるものがあった。
鈴木伸之(すずき・のぶゆき)
1992年10月14日生まれ、神奈川県出身。AB型。T185。2010年、劇団EXILEに加入し、同年に舞台『ろくでなしBLUES』に出演しデビュー。以降、ドラマ、映画、舞台、CMなどで活躍中。主な出演作は映画『桐島、部活やめるってよ』(12年)、ドラマ『あなたのことはそれほど』(16年)、NHK連続テレビ小説『半分、青い。』(18年)、ドラマ『GTO』シリーズ、映画『アラグレ』シリーズ、ドラマ&映画『HiGH&LOW』シリーズ、映画『東京リベンジャーズ』シリーズなど。11月27日には初のミニアルバム『Action』をリリース。
●作品情報
土ドラ『バントマン』は毎週土曜日、夜11時40分よりフジテレビ系にて放映中。
https://www.tokai-tv.com/buntman/
🄫東海テレビ