いま、空前の怪談・オカルトブームを迎えている日本。怪談師のライブは即日ソールドアウトし、イベントは大盛況、熱狂的なファンがつきSNSのフォロワー数や動画再生回数は派手な数字を示している。吉本興業所属の芸人で、生き霊や悪霊など、“視えすぎる芸人”として活動するシークエンスはやとも(33)も、そんなひとり。小学生の頃からその能力に目覚めていたものの「心霊ネタをやりたかったわけではない」と明かす彼の、THE CHANGEとは。【第5回/全5回】

シークエンスはやとも 撮影/有坂政晴

 オールブラックなコーディネートにセンスが際立つ"霊視えすぎ芸人”のシークエンスはやともさん。すっきりとした着こなしだが「最近また痩せたんです」と話す。かつて130キロあり、1年で78キロ痩せたことを新著『憑いてる人は痩せません 生き霊「お祓い」ダイエット』で、当時の写真とともに明かしているが、自身が太っていた原因は「生き霊太りだった」というのだ。

「生き霊太り」とは、心の隙間に生き霊が入り込み、「異様な食欲を止まらなくさせて、体を冷やして代謝を落とし、安眠をさまたげ、余計な肉を増やしていく」現象なのだそう。一見オカルティックな話だが、詳しく聞くとそうでもないのだ。

「もっとも太っていた時期の僕は、精神的にかなり参っていました。ただ、不思議と女の人は気にかけてくれたんです。デブなのになんで好意を持ってくれるのかわかりませんでした。そのうちのひとりにいまの奥さんがいましたが、彼女含め、全員もれなく怪奇現象に遭っていたんです」

 モテ始める前まで付き合っていた女性とは「警察沙汰になるような、ヘビーな別れ方をした」そうだが、それこそが怪奇現象の原因だったのでは、とはやともさんは推測する。

「僕を元気づけようと家に遊びに来てくれた女性が、トイレに入ったときにドアが開かなくなって閉じ込められたりとか。家の駐車場で首根っこを掴まれたように後ろに倒されたりとか。そういうことが頻繁に起きていました」