ーーそれが、どうして、いきなり『バーレスク東京』に入ろうと思ったんですか?

「テレビで『バーレスク東京』のことを知って、私もあんなキラキラした世界を見てみたいって憧れて。でも、写真集を見ての通り、こんな田舎から東京に行くなんて、ほんと、夢の世界だったんです。そもそも私、全然モテなかったし」

ーーええ!? 本当ですか?

「本当なんです。ただ、バーレスクとは全然、関係ないんですけど、ちょうどその頃に、熊本のアーケード街でスカウトされたことがあったんですよ」

ーー写真集にもあるアーケード街ですか?

「まさに、そこです!それで、ちょっとだけ自信が出てきて……」

ーーまさに人生の分岐点の、思い出の地で撮影したんですね。

「アーケード街だけじゃなく、いつも利用していた路面電車の中でも撮影しました。だから、今回の写真集は私の思い出の地を巡っているんです。内容もタイムスリップして、昔の私に戻っていく感じで」

ーー『時間紀行』というタイトルは、熊本時代の神山さん、そのものってことなんですね。笑顔もすごく自然で、ステキです!

「地元に戻ってホッとしていたのかも。撮影を忘れて油断してる表情も、たくさん撮られています(笑)」

ーー確かに、ふだんのステージに出る姿とは違う雰囲気がありますね。

「そうですね。ダンサーとしてステージに立っているときは、メイクも衣装もキメキメじゃないですか。髪型はだいたい真ん中分けのストレートで、メイクも濃くてカラコンもしているんです。でも今回は、前髪を作ってポニーテールにしてみたり、メイクも薄くして。カラコンもしてないんですよ」

ーー無防備な神山さんを見られるのは、かなりレアかもしれませんね。

誰かのために、頑張ろうと思えた

ーーダンサーになってちょうど4年の月日がたちましたが、振り返ってみて、いかがですか。現在の人気ダンサーの地位に至る、何かターニングポイントのようなものは、どこだと思いますか?

「自分の中で意識が変わったのは、デビューして2年後、初めてセンターに立たせてもらったときですね。最初に、その話をもらったときは“私じゃ無理です”とお断りしたんですが、その一方で、“いつまでも自信のない自分じゃダメだ”とも思ったんです」

ーー実際に立ってみたら、見えた景色が違った?

「はい。やっぱり、みんなが注目してくれるし、ファンも一気に増えたんです。応援してくれる方が増えると、今度は“ファンの方たちに楽しんでもらいたい”という気持ちが生まれてきたんです。それまでは、自分のことしか考えていなかったのに」

ーー誰かのために、頑張ろうと思えたんですね。

「はい。そう思えるようになったのが、私の中での大きな転機だったと思います。練習にも、いちだんと力が入るようになって……センターを1年間ほど務めた頃には、自信もついていました」

ーーなるほど。そうやって今の地位を築いていったわけですね。

(つづく)

神山みれい(かみやま みれい)
2000年9月5日生まれ、熊本県出身。身長166センチ。ショークラブ『63ANGEL』(旧バーレスク東京)のショーダンサー。2020年11月のデビュー以降、人気ダンサーとして活躍。また、グラビアや女優など、多方面での芸能活動も行っている。