大きなチェンジは「やはり“石坂浩二”という名前になった瞬間」
──石坂さんの声にそんな秘密があったとは。ところで石坂さんといえば、「へーちゃん」の愛称も浸透しています。
「浸透してるって、おかしいんですけど。親しくない人に呼ばれたくないですからね。一番いけないのは(大橋)巨泉さんなんだと思うんですが」
※大橋巨泉(1934~2016)テレビタレント、放送作家、政治家。『11PM』『クイズダービー』『世界まるごとHOWマッチ』『ギミア・ぶれいく』など多くの人気番組の司会を務めた。
──確かに巨泉さんが、テレビで「へーちゃん、へーちゃん」と広めた印象です。
「あの人、そんなに親しくなかったころから“へーちゃん”って言ってたんですよ。その後、親しくなったから許してましたけど。あと巨泉さんもですけど、やっぱりテレビですよね。テレビが浸透させた。あと愛称じゃなくて、本名ですけどね」
──そうですね(苦笑)。「石坂浩二」の名前は本名ではなく芸名になるわけですが、いまではもう、こちらの名前のほうがしっくりきますか?
「しっくり? それはないですね。しっくりと感じた瞬間はないです」
──そうなんですか?
「みなさん、そう呼んでくださるので、自分の名前だなとは思いますけど、“しっくり”とはならないですね」
──大河ドラマの主演でバーン!と名前が出てもですか?
「単なる名前、名称ですから。仕事場ではだいたい役名で呼ばれますし。とはいえ、自分にとっての大きなチェンジとなると、やはり“石坂浩二”という名前になった瞬間であることは間違いないです。その前にまず、石井ふく子さんとの出会いが大きいわけですが」