アドリブに反応し、皆の芝居がどんどん豊かに広がっていく現場だった

染谷将太 撮影/有坂政晴

――素人考えですが、現場全体を見ながら作品の世界観を壊さずにアドリブを繰り出すということは、とても高度な技術がいるのではと思います。今回の現場で、先輩方のアドリブ力をどのように学びましたか?

「仰る通りで、皆さんが長年やってこられていることは本当にすごいなと改めて思いました。西田さんから出る言葉に皆さんが反応して、そこからどんどん芝居が膨らんでいくんです。 “この掛け合いをこんな間近で見られるなんて贅沢だな”と思っていました。今まではいち視聴者として見ていたので、ついつい見とれてしまいましたね。

 ただ、自分が演じる比呂人は、割とそこをピシャッと切らなければいけない立場だったので、どこで切っていいかものすごく悩みました。“今かな?”“いや、ここからもうちょっと盛り上がりそうだな”みたいなことを探りながら、楽しんで参加させてもらっていました」

 染谷さんが演じる二役は、最後の最後まで目が離せない役どころ。また、中園ミホさんが描いたストーリーも、劇場版ならではのスケールと驚きと感動が溢れている。映画のタイトルにもあるように、今作で「FINAL」となる「ドクターX」。大門未知子の勇姿をはじめ、本作ならではのコメディチックなシーンを、ぜひ見届けていただきたい。

取材・文/根津香菜子

ヘアメイク/光野ひとみ、スタイリング/林道雄

そめたに・しょうた
1992年9月3日、東京都生まれ。9歳のときに『STACY』で映画デビューし、数々の作品に出演。2011年には映画『ヒミズ』で第68回ヴェネツィア国際映画祭のマルチェロ・マストロヤンニ賞(新人俳優賞)を受賞。近年の主な出演作品にドラマ『風間公親-教場0-』、『CODE―願いの代償―』、映画『陰陽師0』、『違国日記』、『若き見知らぬ者たち』などがあるほか、待機作に、映画『はたらく細胞』(12月13日)、『聖☆おにいさん THE MOVIE ~ホーリーメンVS悪魔軍団~』(12月20日)が控える。

「劇場版ドクターX」(https://doctor-x-movie.jp/
監督: 田村直己、脚本: 中園ミホ、出演:米倉涼子、田中圭、内田有紀、今田美桜、勝村政信、鈴木浩介、岸部一徳、染谷将太、西畑大吾、綾野剛遠藤憲一、西田敏行ら。
12月6日(金)より全国公開中