「ちょっと歩みをゆるめてみたほうがいいなと」最近感じた心境の変化
「私自身、すごく仕事が好きで仕事中心。役を演じること、人と関わること、作品が作られていく過程がすごく好きなんです。だからいままで走って来たんですが、アウトプットしすぎたというか、私の傾向的に“我慢強くて疲れがあとから来る、気づいたときには手遅れ”というのがあるので、ちょっと歩みをゆるめてみたほうがいいなと。
本当に自分の中に空いているところがなかったなって、最近、思うようになって。仕事は好きだから続けていきたいんですけど、いままでより少し余白を作って、なにかが入ってくるスペースがあったほうがいいんじゃないかという考えに至ったんです」
実は取材直前にあったテレビ番組収録でも、余白の大事さを感じたことがあったという。
「さっきまでバラエティ番組の収録をしていて、コーンスープを作る映像を見たんです。それを見て、私、何年、コーンスープを作っていないんだろうって思って。ていねいに暮らせていなかったなって振り返って、いまコーンスープを作ったら感動しちゃうかもしれませんね。そういった、自分の時間や余白を持ちつつ役柄に挑んでいったら、今後、どうなっていくのかなって、まさに思っているところなんです」
俳優という仕事の転換期を迎えている倉科さん。歩みをゆるめることで、演技がどう変わっていくのか、これからの倉科さんに期待したい。
倉科カナ(くらしなかな)
1987年12月23日生まれ、熊本県出身。高校3年生のときに「SMAティーンズオーデション2005」に応募。グランプリを受賞し、’06年に「ミスマガジン2006」でグランプリに選ばれる。’09年にはNHKの連続テレビ小説『ウェルかめ』のヒロインを演じ、その後はさまざまな映画・ドラマ・舞台で活躍。現在配信中のLeminoオリジナルドラマ『情事と事情』、’25年1月放送予定のドラマ『TRUE COLORS』(NHK BS)では主役を演じる。
AULAAILA / コードナイン