この仕事でやっていきたいって思えた
そんな加藤さんの舞台からのオファーを聞いた時はもちろん歓喜に包まれた気持ちになった。
「キャストもすごく豪華だったんです。私からしたら演劇の神様みたいなキムラ緑子さんや浅野和之さん、そして映像の世界でも活躍されている有村架純さんや林遣都さんと御一緒させてもらいました。私は圧倒的に年下で経験値も少なかったんですけど、皆さんとてもフラットなんです。基本的にお互いをリスペクトしていて、それぞれのやり方で正解を出していく。そこで生まれ、出来上がったモノは本当に素晴らしくて、“こういう人たちとお仕事を出来る現場にもっといられるようになりたい”と思いました。
でも、そこで皆さんが話されている劇団の話や曲の話、どういう演出家が好きでといったことが私には全然わからなくて、その会話に入れなかったことがメチャクチャ悔しかったんです。これだけすごい人たちでも色々なものをインプットして進化し続けているのに、何の吸収も無くただ“面白かった~”と観ていた時間が勿体なかったと思いました。もっと知識をつけるべき、学ぶことは山ほどあるって思いましたし、同時にこの仕事でやっていきたいって思えたタイミングでした」
そんな伊原さんの最新出演作は映画「ふしぎ駄菓子屋 銭天堂」。世界累計発行部数1100万部を突破した大ヒット同名小説シリーズの実写化で、願いを叶える駄菓子を売っている「ふしぎ駄菓子屋 銭天堂」の店主・紅子(天海祐希)とその店で駄菓子を買う客の数奇な運命を描くファンタジー。
「やっぱり駄菓子って聞いただけでワクワクするじゃないですか。私自身もすごく好きで、自分ルールで駄菓子屋さんを見つけたら必ず入るっていうのがあるんです。私、フィルムカメラが趣味なんですが、駄菓子屋さんってレトロな感じがフイルム映えするポイントなので普段からけっこう触れる機会がありまして。その駄菓子屋さんが願いを叶えるというのは、世代を超えて夢があるなって思ったんです。この作品は大人が観ても楽しめるんだろうなって」