今回登場してもらったのは12月に70歳を迎えたばかりの女優・水沢アキさん。華麗なる恋愛歴から終活の話、果ては今年1月に亡くなった篠山紀信さんとの撮影秘話まで、とことん語り尽くしていただきました。【第1回/全2回】

水沢アキ 撮影/小島愛子

ーー水沢さんといえば忘れられないのが、白いTシャツから素肌が透けた、篠山紀信さん撮影のグラビアです。『GORO』(小学館)に掲載されました。

「先生とは芸能界で私が一番長いお付き合いじゃないかと思っていて。あれはアイドル歌手をしていた19歳のとき、グアムでの撮影のことでした。
 先生から“海水でファンデーションを取って、素顔に近い状態にして”と言われて化粧を落とすと、今度は“海の中に入ってビキニの上だけ脱いで”とお願いされたので“上だけならいいか”と思い、何枚か撮ったのが、あの写真です。ふだん、私は口紅も付けなかったの。清純派のイメージとはまったく違う、そんな姿を先生は出してくれたんです」

ーー当時はヌードの撮影はしていないんですね。

「1枚もないです。そのあと事務所を移り、23歳のときに“思い出に”ということでプライベートとして数枚ヌードを撮りました。
 先生には心を許していたので、恥ずかしさも抵抗感もなく笑顔で撮影に挑めましたね。ただ、写真を見せてくれないから実際に撮った写真が、どんなだったかは知らなかったんです」

ーーあくまでプライベートで撮影したんですね。

「はい。逆に、“さあ、裸で”という撮影はイヤだったんです。25歳のとき、“先生の水着グラビアの撮影”と、マネージャーに告げられてハワイへ行きました。到着したら“脱いで”と言われ、私は“話が違うじゃない!”と泣いて怒りました。プロとして撮影はしましたが、私はマネージャーに騙されたことに傷ついて許せなくて、翌朝、もらっていたオープンチケットで一人、日本へ帰ってきちゃったんです」