初期のころからオーディションもオファーも自身で判断
──オーディションもオファーも、受けるかどうかのジャッジは富田さん自身で?
「はい。やりたい仕事であればあるほど、まっすぐに集中できるかどうか、ほかのお仕事やオーディションとのバランスが取れるかどうかも、常にジャッジしています。
例えば、朝ドラには『なつぞら』『ブギウギ』(NHK)と出させていただきましたが、朝ドラのオーディションって4か月くらいかかるんです。その間は、ずっと考えてしまう。実際に役を演じるのと同じくらい、オーディションでも」
──それは大変です。
「後悔したくないから、一瞬でもそこから気をそらしたくなくて。一度、朝ドラのオーディション中に別のオーディションがあって、前日まで受けるか悩んでいたのですが、結局、断念しました。逆に言うと、そちらのオーディションに行ってしまったら、数か月やってきた朝ドラのオーディションへ、気持ちが戻れなくなると思いました」
──そうしたジャッジはいつからされているのですか?
「初期からです。デビュー作の『ソロモンの偽証』のときに、役を演じるにはどれほど大きな力、土台が必要かということを学びました。あの作品はオーディションもそうですし、リハーサル期間もとても長かったのですが、あのころの感覚はいまでも大事にしています。オファーでもオーディションでも関係なく、自分自身でやると決めなければできないと思っているので」