映画デビュー作『ソロモンの偽証』(2015)における2か月での15キロの体重増というストイックな役作りに始まり、愛らしい笑顔の奥に揺るぎない芯を感じさせる富田望生。2作目のNHK連続テレビ小説出演となった『ブギウギ』でも、個性の強い、主人公スズ子の付き人・小夜を演じ切った。まだ20代半ばながら高い演技力と存在感を放ち続ける富田さんのTHE CHANGEとは──。【第2回/全4回】
富田さんは「挑戦は好きです」と断言する。
『ソロモンの偽証』から、今年で10年。同作での体重増や、映画『チア☆ダン』(2017)でのダンス挑戦、ドラマ『教場』(フジテレビ系)における手話、『だが、情熱はある』(日テレ系)で南海キャンディーズの静ちゃんこと、山崎静代さんを演じた際の漫才やボクシング、同じく山崎さんが映画『フラガール』(2006)で演じた役を舞台版で演じた際のフラダンス、舞台『ジャズ大名』(2023)でのクラリネット・三味線などなど、富田さんの挑戦には枚挙にいとまがない。
「自分に課せられる挑戦はイヤなんですけど、役として課せられた挑戦は、その挑戦に向かっている時間が、そのまま役へとどんどん近づいている時間になるんです」
──なるほど。
「だから、役に課せられる挑戦は本当に大好きです」
──ドラマ『だが、情熱はある』での南海キャンディーズの静ちゃん役もとても好評でしたが、富田さんは身長152センチ、静ちゃんは182センチです。オファーの際には、「私にできると思ってオファーしてくれたんだ」という喜びとして受け取るのでしょうか。
「挑戦状だと受け取ります」
──ほお! 挑戦状。
「キツイ挑戦状であればあるほど、嬉しいです」
──負けず嫌いですか?
「ですね。難しいことであればあるほど、クソ! と頑張れます」
──そんな富田さんでも、これはさすがにキツイと思った役柄はありますか?
「私、何か作品に入るときにはガーッと真っすぐになってしまうんです。オーディションであっても同じ。オーディションを受けると決めた時点で、その役をきちんとやれるかどうかジャッジしています」