女優、歌手、映画監督など、現在、芸能界におけるさまざまなフィールドで活躍する黒木瞳。かつて所属した宝塚歌劇団での入団2年目という、男役・娘役を通じ史上最速で、当時月組トップスターだった大地真央の相手役となる娘役トップに就任したエピソードも知られる。1985年の退団から40年。黒木さんのTHE CHANGEとはーー。【第2回/全3回】
1979年に高校卒業のタイミングで宝塚音楽学校に入学した黒木さんが、初めて宝塚の世界を知ったのは、高校1年生のときに観劇した福岡公演の『ベルサイユのばら』だった。
「すごく大きな衝撃でした。美しくてきらびやかで、物語も切ない。フランス革命という歴史も学べますしね。本当に感動しました」
――宝塚の『ベルサイユのばら』はさまざまな方がメインキャラクターを演じていますが、黒木さんがご覧になったのはどなたが主なキャストだったのでしょうか。
「安奈淳さんがオスカル(・フランソワ・ド・ジャルジェ)で、榛名由梨さんがアンドレ(・グランディエ)でした(花組公演)。私は物語を全く知らなかったので、オスカルが女性でありながら男装をしているというところで、まず驚きましたし、男性として生きて、国のために、民衆のために戦って、愛のために生きていく。そして最後はフランスのために亡くなるという内容に、“こんな作品があるんだ、こんな世界があるんだ”と大変感動しました」