「僕は根っからのポジティブ人間」

 無人島に漂着した最新型アシストロボット・ロズが、キラリを育てるうちに心が芽生えるという物語。ロズは周囲の動物からモンスターとして扱われ、同時にキラリも雁たちから仲間外れにされる。それでも、柄本佑さんが声優を務めるキツネのチャッカリや、いとうまい子さん演じるオポッサムのピンクシッポらとのあたたかな出会いを経て、2人は特別な関係に変化していく。

「印象的だったのは、ロズとキラリの関係性と、キラリの成長、そしてロズとの別れです。そして、クライマックスがもう……! 要所要所でジーンと来るところがありました」

 映画の吹き替えを担当するのは今作で7作目となるが、「今回は、英語版キャストの印象を崩さないように、なおかつ、僕が思うキラリを表現できるように演じた」と話す。

「キラリは仲間はずれにされながらも、基本的にポジティブ思考なんです。僕自身とはそんなところが似ているなあと思って。僕は嫌なことがあると、それに浸ることもあるけれど、ポジティブなアイディアも同時に浮かんできます。そういうときに、“僕は根っからのポジティブ人間なんだなあ”と思います」

 もうひとつ、キラリと共通点がある。それは、観客に成長を見せてくれるところではないだろうか。愛らしい子雁から、周囲に支えられやがて渡り鳥として巣立つまでの成長過程が描かれているが、鈴木さん自身も国民的な子役から現在まで、その成長の一部を視聴者に見せてくれている。

「僕が周りの支えを実感したのは、小学校高学年から中学生くらいの時期に、マネージャーさんに“たくさん学校に行けるようにしたほうがいいよね”と言われたときです。

 そうやってちゃんと学校に行けるようにしてくれて、僕は小学校で野球に出会うんですが、周りから“けがをするからダメ”と言われる可能性もあったわけです。でもマネージャーさん も親も“やってみれば”と背中を押してくれました」