2014年から放映されたセゾンカードのCMで頭突きによる瓦割りを披露し、一躍世間の注目を集めた俳優、武田梨奈。琉球少林流空手道月心会で黒帯二段の実力の持ち主で、日本では数少ない本格的なアクションを見せられる俳優のひとりだ。空手を活かしたキレのあるアクションは海外でも評価が高い。近年ではアクション以外の作品にも多く出演し、2015年の放送開始から今年で10年を迎える人気ドラマ『ワカコ酒』(テレ東系)では、シーズン1から主人公の村崎ワカコを演じ続けている。そんな彼女の人生におけるターニングポイント、「THE CHANGE」について話を聞いた──。【第2回/全3回】
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淡いピンクの衣装でフェミニンな雰囲気を漂わせる女性が次の瞬間、気合もろとも頭突きで瓦を割る──2014年から放映されたセゾンカードのCMである。可愛らしい女性が突然……というギャップがあまりにもインパクトの強いCMで一気に日本中に武田さんの存在を知らしめた。
そんな武田さんは幼い頃から俳優になりたいという夢を抱いていたという。
「本当に漠然と“映画の世界に入りたい”という夢を持っていて、初めてオーディションを受けたのは5、6歳の頃でした。映画が好きだったということと、ジャッキー・チェンさんのようなアクションスターになりたいと憧れていたということもあったと思います。それこそオーディション雑誌に載っていたものを片っ端から受け続けていたんです。中学生の頃までに300件ぐらいは受けていたと思います。俳優になりたいという夢のためにそこまでしたのは、父からの言葉も影響していて、私の中にあった意地がそうさせたのかもしれないです」
──お父様の言葉とは?
「“やるんだったら、本当に叶うまでやめるな。だったらやっていいよ”って。中途半端でやめるくらいなら最初からやるなってことですよね」