近年は大学に進学したことや研究者としても知られる俳優のいとうまい子さん。常に新しいことにチャレンジし続け、「40代からどんどん楽しくなった」と話すいとうさんのTHE CHANGEとは。【第1回/全4回】
おそらく取材部屋に入る前からずっとそうだったのだろう、優しいほほえみを浮かべながら入室したいとうまい子さんは、取材スタッフひとりひとりとしっかりと目を合わせ、ほほえみを絶やさぬまま「よろしくお願いします!」とよく通る声で言う。
優しい雰囲気で取材陣に向き合ういとうさんは、2月7日公開の映画『野生の島のロズ』の吹き替えを務める。意外なことに、吹き替えはおろか、声優自体初めてなのだという。
「還暦にして初体験なんです! オファーをいただけたこと、私自身すごくびっくりしましたが楽しかったですね」
いとうさんは45歳で早稲田大学人間科学部に進学、3年次でロボット工学のゼミに入り、卒業後は同大学院修士課程に進みロコモティブシンドローム(運動機能が衰え、日常生活での移動機能が低下している状態)対策用ロボットの研究・開発に携わった。そうした経歴が「大きかったのでは。それがなかったら呼ばれていなかったかもしれない(笑)」と推察する。