昔と比べて悩みや怖いものがほとんどない
ーーそういった頼もしさや包容力といとうさんの共通点は、観客でも感じました。特に、ほかの動物はみんなロズのことを怖がっていたのにピンクシッポだけは最初から受け入れていたところなど。
「そうすね。ピンクシッポは年齢を重ねて何度も子どもを育てていて、そうするとあまり怖いものがなくなってくるんでしょうけれど、私もたぶん同じです。今や悩みや怖いものなんかほとんどないので、そういう意味では似ているかもしれないですね」
ーー悩みや怖いものがない?
「昔は、人にイヤなことを言われたとか、人間関係から仕事上のことまで、なにかと悩むことが多かったんですが、ここ数年そういう悩みがなんだかほとんどなくなってきたんですよ」
ーーたとえば40歳は「不惑」=悩みがなくなる、とされていますが、多くの人はまだまだ悩むことが多いかと思います。全然どっしり構えることができないです。
「40代でどっしりしなくたっていいじゃないですか。そういうことはもう、歳を取るごとにそうなっていくから。みんないまを楽しんでほしいなと思います。悩めるということだって、楽しみのひとつだなって思うんですよね。何かしら思いがあり、それを乗り越えたときに次のステージに行けるから」
いとうさんは「だからみなさん、いっぱい悩んで次のステージに進んでほしいな」と、終始変わらぬ包容力のあるほほえみを向けながら激励してくれるのだった。
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いとう・まいこ
1964年8月18日生まれ、愛知県出身。83年に「1億人のクラスメイト」とのキャッチコピーで歌手デビュー。翌年、ヒロインを演じたドラマ『不良少女とよばれて』(TBS系)が高視聴率を記録した。ドラマや映画だけでなくバラエティでも活躍。芸能界でいち早くインターネットを活用し、2010年には早稲田大学に入学、現在は早稲田大学大学院に研究生として所属し、抗老化学を研究中。25年度より、情報経営イノベーション専門職大学の正教授に就任予定。また2021年に内閣府の教育未来創造会議の構成員に選任され、同年には株式会社タスキ社外取締役、さらに22年に株式会社リソー教育社外取締役に就任するなどマルチに活動している。
『野生の島のロズ』
監督・脚本:クリス・サンダース
製作:ジェフ・ハーマン
音楽:クリス・バワーズ
原作:「野生のロボット」福音館書店刊(ピーター・ブラウン作・絵、前沢明枝訳)
配給:東宝東和、ギャガ
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日本語吹替えキャスト:綾瀬はるか(ロズ)、柄本佑(チャッカリ)、鈴木福(キラリ)、いとうまい子(ピンクシッポ)
千葉繁(クビナガ)、種﨑敦美(ヴォントラ)、山本高広(パドラー)、滝知史(サンダーボルト)、
田中美央(ソーン)、濱﨑司(赤ちゃんキラリ)