近年は大学に進学したことや研究者としても知られる俳優のいとうまい子さん。常に新しいことにチャレンジし続け、「40代からどんどん楽しくなった」と話すいとうさんのTHE CHANGEとは。【第2回/全4回】

昨年8月18日に60歳の誕生日を迎えたいとうまい子さん。2月7日より公開が始まる映画『野生の島のロズ』では還暦にして初めて声優業を体験、日本語吹き替えを担当した。さかのぼると、いとうさんの人生はそれぞれの年代で大きな“初めて”を経験するシーンが際立つ。
「新しいことが大好きなんです。ガジェットもそうだし、知らないもの……たとえばインターネットがやってきたときは、たぶん私が芸能界で一番最初にドメインを取ってホームページを開いたんですよ。そういう未知なるものや新しいステージが大好き。好奇心が強いんでしょうね」
ーー芸能界入りしたことも、好奇心のゆえですか?
「芸能界に入ったのはスカウトでした。その前に、中学生のときに学校で、全校生徒で映画を観る機会がありました」
いとうさんが観たのは大竹しのぶさん主演映画『あゝ野麦峠』(1979年)。製糸工場での過酷な労働に耐える女工たちを描いた社会派作品で、「みんな、観ながらものすごく泣いていたんです」と懐古する。
「そのとき“こんなに人を感動させられるお仕事があるんだ! やってみたい!”と思いました。だからスカウトされたときはすんなりと“やりたい”と思いました」
