「ものすごく勉強家で努力家」の藤澤五月


「ロコ・ソラーレの彼女たちも、まだまだ伸びていくんだろうなと、個人的には感じています。でも、今回のグランドスラムでも、北海道銀行がロコ・ソラーレ同様、プレーオフに進出したり、前回はフォルティウスがプレーオフに進出して、 世界で勝てるチームがどんどん増えてきているのが今の日本のカーリング界です。ロコ・ソラーレはジェームス・ダグラス・リンドさんという、カナダ人コーチがついて、情報が早く、戦術的にも先進的なチームになっています。そこが強さの一つだと思います」
 市川さんの現役時代、ともに中部電力で戦った藤澤五月選手がスキップとして活躍するロコ・ソラーレ。スキップはチームのキャプテンであり、戦い方を決めるチームの要だ。
「藤澤選手はもともと頭のいい人だし、コーチのアドバイスを素直に聞くことができる人。戦術や時代の変化についていけるのは、そんな彼女だからこそでしょうね。藤澤選手はものすごく勉強家で、努力家でもあって、チームメイトだったときも、私がDVDで映画を観て息抜きをしているようなときでも、ずっとカーリングの映像を見て研究しているような選手でした。
 一方で、吉田(知那美、夕梨花)姉妹は、結婚して生活環境がちょっと変わると思うんですけども、2人とも、選手としての彼女たちをサポートしてくれるアスリートの方と結婚しているので、お互いに高め合って、どんどんいけるんだろうなって思います。 鈴木夕湖選手は、とにかくストイックなので、 自分がやるって決めたら、とことん突き詰めていける。強いチームですね」
 対する北海道銀行には、世界で勝利した経験を持つ選手もいる。
「個人的には、2022年に軽井沢から加入した、セカンドの山本冴さんに注目しています。日本は2022年に、世界ジュニア選手権で初めて金メダルを取っているんですけど、彼女は、そのチームでスキップをつとめた選手なんです。彼女が入ったことによって、作戦の視野が広がったり、決断が早くなったことがチームの武器になっています。北海道銀行では現在、セカンドで、先日ロコ・ソラーレ戦でも力を発揮していました。
 ロコ・ソラーレはセンター線、真ん中に溜めていく攻めのスタイルなんですけど、それを崩して、ロコがやりたいようにできないようにしているのが山本選手なんですね。だから、彼女の一投には戦術的な面白さがあります。
 私としては彼女の出来でゲームの行方はだいぶ変わると思っています。あとは、最後に投げるスキップ田畑百葉さんの決定力にも期待しています」
 そんな彼女たちの戦いを、カーリング観戦ビギナーが楽しむコツはあるのだろうか。