役作りのためにホストの職業体験にも挑んだ
──ありがとうございます。ところで、宮崎の農場へ行くことになる大夢は、もともと歌舞伎町のホストですね。
「今回、演じるにあたって、ホスト体験に行きました」
──そうなんですか！
「いまＹｏｕＴｕｂｅで自分のチャンネルをやっているので、カメラを回しながら。テーブルマナーから何から何まで教えてもらったんですけど、プロすぎてすごかったです」
──実際に接客もしたんですか？
「しましたよ。お酒の作り方とか、グラスの持ち方とかも教わって。話し方とか、話の広げ方とか。“こういったことは聞いてはいけない”とか。すべてきっちり厳格にルール化されているんです。それらを守りながら目の前のお客さまを楽しませる。その在り方が本当にプロフェッショナルでした。誤解を恐れずに言うと、“俺らもホストみたいなものだし”と」
──お客さまを楽しませるという意味で。
「そうです。精神として似ているなと。それと、また別の部分としては、正直、どこかで“売上、お金第一”みたいな部分もある仕事なんだろうとも思っていました。もちろんそれもあるとは思います。でもそこは二の次で、まずはお客さまを楽しませることを大事にしている。“人を肯定する仕事なんだ”と感じました」
──今作では、ホストだけでなく農業も体験していきます。ちなみに中山さんご自身は普段から料理をしますし、昔は漁師になりたかったと聞いています。農業はできそうですか？
「いや、できないと思います。ロケとかでも農作業を少しさせていただくことがあるのですが、本当に体力勝負ですよね。過酷な世界。自分にはできないと思います。尊敬します。農家さんも尊敬だし、今回勉強させていただいたホストの方々も男として尊敬でした」
そう話したあと、カメラを前に、役衣装でばっちり決めた中山さん。舞台の真ん中で歌って踊り、観客を魅了することも、到底できることではない。
(つづく）
なかやま・ゆうま
１９９４年１月１３日生まれ、大阪府出身。俳優、歌手、タレント。２００６年から芸能活動をはじめ、２００８年の初主演ドラマ『バッテリー』（ＮＨＫ）以降、俳優業を軸に活躍しており、特に舞台作品で高い評価を得ている。主な作品に映画『ホーンテッド・キャンパス』（２０１６）、舞台『Ｅｎｄｌｅｓｓ ＳＨＯＣＫ』（２０１８～２０２４）をはじめとし、『ドリアン・グレイの肖像』（２０１５）『それいゆ』（２０１６）『大誘拐』『血の婚礼』（２０２４）など。２０２５年１本目の舞台は、主演を務めるミュージカル『いただきます!〜歌舞伎町伝説〜』。
●作品情報
農業系☆Ｒｏｃｋ Ｍｕｓｉｃａｌ 「いただきます！～歌舞伎町伝説～」
原案・原作：米山久
劇作・脚本：金房実加
演出：林希
音楽：高木茂治
振り付け：塩野拓矢
出演：中山優馬、小出恵介、Ｄｒｅａｍ Ａｍｉ、古謝那伊留、シルビア・グラブ、林希 ほか
