昨年、結成20周年を迎えたヴィジュアル系エアーバンド「ゴールデンボンバー」(金爆)。ステージ狭しと繰り広げられる、ある意味“邪道”ともいえるお笑いで魅了するパフォーマンスは唯一無二ともいえる。ギター担当の喜矢武豊さんは近年はバンド活動とは違う俳優というステージでドラマや舞台で活躍中で、2月21日に公開される『死に損なった男』ではDV夫役を演じ、役者としての新境地を見せている。そんな喜矢武さんにとってのCHANGEとは──。

喜矢武豊 撮影/冨田望 スタイリスト/藤井やすのり ヘアメイク/柳下綾音

 今年、新年早々の1月7日と8日の二日間、ゴールデンボンバーの20周年アリーナライブが横浜・ぴあアリーナMMで行われた。そこで喜矢武豊さんは、「抱きしめてシュヴァルツ」のギターソロ演奏中に、上半身裸になってブリーフを50枚重ね履きという、もはや音楽とは関係の無いパフォーマンスを披露した。理由は、ドジャースの大谷翔平が“50-50”の大記録を達成したことに対して「ライバルとして負けられない」から、と……。もっとも、本人は「ずっとスクワットしてるからめちゃくちゃキツイ」と漏らしていた。

 この日は金爆のステージで見せるヴィジュアル系の衣装とは違い、シックなスーツ姿で登場し終始落ち着いた様子で取材に応じてくれた。ミュージシャンとしてバンドではギターを担当しているが、最初に始めた楽器はギターではなくベースだった。

「元々は音楽をそれほど好んで聴く人間ではなかったんです。子供の頃、よく遊んでいた友達がベースをやっていて、それを見て“カッコいいな、オレもやりたいな~”と思ったのが始まりでした」

 最初に練習したのはGLAYの楽曲。

「その友人が弾いていたのがGLAYだったんです。当時はGLAYの『REVIEW』というベストアルバムのCDを買って……いや、お金無かったからレンタルだったかな、それをテープに録音して。特に『BE LOVED』という曲を何度も聴いて練習していましたね」