「明るくポジティブなセクシー」もあることを伝えたい
ーー韓国では「肌の露出が多い女性の写真が載っている雑誌=ポルノ的なコンテンツ」という感覚があるとも書いていますが、ポルノとグラビアの違いを韓国のより保守的な人に伝えるとき、どうしていますか?
「難しいですね。韓国人はこの文化を知らず、ポルノもグラビアもすべて同じだと考えていますから。モデル自身も同じだと考えている人・勘違いしている人が多いように思います。たとえば、“グラビアをやっている”と名乗ってポルノコンテンツを作っているとか。だから見る人はずっと“グラビア=ポルノ”という認識を持ち続けてしまうんです」
ウンジさんがインスタグラムに水着姿の写真を投稿しはじめた当初は、保守的なユーザーから激しい中傷に見舞われたこともあった。エッセイでも、<トラウマになるような言葉の数々>に傷つけられたことを綴っている。
現在ウンジさんは「撮影の裏側をYouTubeで見せることで、クリーンな仕事であることを伝えているんです」と話す。
「たとえば日本での撮影風景を撮って、これだけのスタッフさんや出版社の方が関わって作品を作っているんですよ、というところを見せたり、クリーンな環境で撮影していることがわかる動画を撮り、解説して、啓発活動のようなことをしています」
ーーそういったことをモデルさん本人が行うんですね。
「私自身、モデルでもあるし自分自身を作るプロデューサーでもあるので」
ーーそうした活動を経て、届くコメントに変化はありますか?
「そうですね。私がやろうとしていることが伝わり、理解されているんだとわかるようなコメントを受け取ったときがいちばんうれしいです。特に、韓国人からの“今まで自分が思っていたグラビアと、本来のグラビアは違うんだね”というコメントを読んだときは、すごくうれしかったですね」
モデルとしてだけではなく、文化を構築する立場として奮闘するウンジさんは「“明るくポジティブなセクシー”もあるということを、伝えられればいいなと思います」と微笑んだ。

ぴょ・うんじ
1989年8月11日生まれ、韓国出身。グラビアモデル、女優、YouTuber。韓国グラビアの第一人者といわれている。YouTubeやインスタグラムなど、総フォロワー数は現時点で300万人を超えるインフルエンサー。昨年12月にフォトエッセイ『もっと前へ、そして「その先」へーーピョ・ウンジはなぜグラビア不毛の地・韓国でグラビアモデルを始めたのか』を上梓した。