『笑っていいとも!』のレギュラーに抜擢されるも……

 ヒットギャグを次々に生みだし、その高いキャラクター認知度で新喜劇をけん引する珠代さんだが、これまでの道のりの中でうまくいかず挫折を味わったこともあったという。

「新喜劇で少しずつ笑っていただけるようになって、キャラクターも浸透してきた頃……22歳ごろだと思うんですけど、『笑っていいとも!』から声をかけていただいて、レギュラーで出演させていただいたんです。

 でも、『いいとも!』では自分の力のなさを思い知らされました。最初はインパクトで笑ってもらえるし、そこは皆さんが面白くしてくださるんですけど、その後の平場のトークは全然駄目で、キャラクターだけでは持たないし、膨らませることができないんです。

『いいとも!』に出てる人たちって本当にすごいんですよね。ゼロからグーッと90、100までじわじわトークで盛り上げていく。私の中でそういうトークの部分を決して諦めたわけではないですし、もっと強くしていかなきゃいけないとは思ったんですけど、やっぱりこれは勝負になってないな、と感じました」

島田珠代 撮影/杉山慶五

『いいとも!』でのレギュラー出演は約1年。十分に爪痕は残したが、珠代さん自身にとっては苦悩の出来事だったそうだ。

「それは打ちのめされますよ。だって、『いいとも!』に出てる皆さんのようなフリートークもこなせる芸人になりたいじゃないですか。そこがダメやっていうのを味わってしまったので……。でもその経験があったからこそ、自分の得意分野を見つめ直すことができたんだと思います。自分にとって強みは何だと考えたら“やっぱり舞台じゃないの?”って。

 そこを強化していって皆さんに喜んでもらえたら、というシンプルな思いになったんです。舞台という自分の足場というか、大事にすべきところを再確認した感じがします」