ヘアメイクや表情をがらりとイメチェン

 このタイミングで、金髪ロングの巻き髪から黒髪ボブスタイルにチェンジした。

「あとは表情の作り方も変えました。元気な笑顔から、ミステリアスで笑わない感じに。メイクもダークをイメージして目元を赤で囲ったり、今で言う地雷メイクのような感じにしました」

 イメチェンした益若さんのもとに届いたのは、批判的な声だった。

「みんなからすごいバッシングされました。“何がしたいのかわからない”、“目を赤く囲うなんて不健康だ”とか怒られて」

ーー怒られるようなことはしてないですが……。

「ブランドイメージを打ち出すためではありましたが、私自身が可愛いと思ってやっていました。次第に、テーマは『フェティッシュモード』で、西洋のフェティッシュな雰囲気と日本らしい甘さが混ざったブランドを作りたい、と固まって。ブランド名の『EATME』は直訳すると“私を食べて”なので、特に男性の中には下品な意味合いに受け取る方もいました。

 本来は“そのお洋服を着ることによって、その人の人生に取り込まれたい”という意味がありましたが、下品だと思う人がいることさえも話題性になるし、キャッチーだから覚えやすいだろうし、そのまま受け取ってもらってかまわないと思っていました」

ーーそこまで考えていたんですね。

「どうしたら人に覚えてもらえるかというのは、日頃から常に考えてやっています」

ーー益若さんは「自己プロデュース力」で語られるパイオニアですよね。ブレずにコンセプトを打ち出すスキルがあるように思います。

「その時その時で好きなことを全力で突然やりたくなってしまうので、あまり知らない人からしたらずっとブレてるように見えてるかもしれません。昔から知っている人からしたら一貫してると言われますが、私自身でも自分の"その時“が読めないです。笑

ずっと好きなことを体現して生きていたくて、何歳になっても"今だ"と思ったらまず一回やってみよう!と次の日から動いちゃいます。」